朝日新聞の記事によると、貯金者が権利を失った郵政民営化前の郵便貯金が急増しているということだ。
中には、夫婦と子どもの3人で計820万円(元本のみ)を失った家族もいたという。
そもそも、どうして貯金が消えてしまうのか?
この記事を見て、「えっ、貯金って1,000万円までは保証されるんじゃないの?」と反応した人も少なくないだろう。
だが実際には、2007年の民営化前の定額貯金(満期10年)などには旧郵便貯金法が適用され、満期後20年2カ月で貯金者の権利が消えるということだ。
正直いって、私は知らなかったです。そもそも郵便貯金に口座を開いてないので調べてなかったですが、民営化前の郵便貯金にはそういった法律が適用されるんだなと今回初めて知りました。
大抵の人は、自分のお金に関することでもきちんと調べない
9人のうち4人は、郵便局の窓口で貯金を下ろそうとした時点で権利が消滅していて、そこで初めて消滅制度の存在を知った。3人は昨年の朝日新聞報道で、1人は郵便局の貼り紙で制度を知った。残る1人は消滅期限が近い貯金があると知らせる手紙が届いたものの、すでに一部の貯金が消えていたという。
元記事によれば、消滅制度については貼り紙や手紙で周知はしていたものの、その確認を怠り、貯金が消えてしまった人がいるということだ。
定期預金とはいえ、まとまったお金を預けてそのまま忘れてしまうなんて、私にとってはありえないことだが、「とりあえずまとまったお金は貯金しとくか〜」程度の認識しか持っていない層にとっては、自分のお金のことすらしっかり調べないというのが現実のようだ。
貯金は元本保証はまやかし
この記事を見て、「貯金の元本保証って何かな?」と感じた私ですが、そもそも貯金の元本保証なんて、消滅制度のない民間企業でもまやかしだと言えるだろう。
10年ものの定期預金の金利は、すでに金利が下がり始めていた30年前なら、ついても数%程度だろうと思います。確かに元本は保証されるが、当時の800万円と今の800万円+金利分では、正直いって当時の方がまだ価値があったと言えるだろう。
対して、820万円を過去30年間の間、株式投資で運用していたとします。この30年間を見てみると、日経平均ですら数十%の成長を遂げており、NYダウに至っては、10倍以上に成長している。
つまり、30年前に820万円をNYダウに投資していれば、値上がり益だけで8,400万円程度の資産に成長していました。
そこに配当金などを加えて再投資していれば、1億円を超えていることも夢ではなかったでしょう。
資本主義社会は『知識ゲー』です。
その原資となり得る820万円もの大金を『制度を知らなかった』ばかりにゼロになってしまったわけです。
恐ろしいですよね。資本主義社会がいかに『知識ゲー』かということがよく分かるかと思います。
知っている人と知らない人。お金に対する意識の違いが、20年後、30年後の資産額を大きく左右してしまうのです。
当ブログを見てくださっている方には、こんな失敗をされるような意識の低い人はいらっしゃらないでしょうが、こんな法律が昔はあったということを覚えておくのは大切かもしれませんね。
ゆうちょに動かさないお金を預けているくらいなら、今すぐに投資を始めた方が、将来的には大きな資産になる可能性が高いと言えるでしょう。