ブルームバーグの報道によると、ヘッジファンドのブルーベイ・アセット・マネジメントは日本銀行と闘うつもりだという。

日銀は債券利回りを抑える取り組みを強めているが、ブルーベイは他の主要先進国・地域の金融当局の方向性に反するこの政策を日銀が放棄せざるを得なくなるとみている。ブルーベイの最高投資責任者(CIO)、マーク・ダウディング氏(ロンドン在勤)によれば、日銀のイールドカーブコントロール(YCC)は「維持不可能」だ。
同氏は13日のインタビューで「かなりの額の日本国債をショートしている」と語った。
このようなニュースを見て、喜ぶようなことではないと思いますが、個人的にワクワクしております。笑
まるで、1992年のジョージ・ソロスとイングランド銀行の争いのようではありませんか。金融市場の歴史に残るかもしれない戦いが今始まるのかもしれません。
ただ、当時のソロス氏と決定的に違うのが、イングランド銀行がポンドを買い支えるために外貨を必要としたことに対して、日本国債を買い支える日銀が、理論上無限に日本円を発行し続けることができるという点です。
ご存知の通り、日本の国債はほとんどが円建であり、また前述の通り、円を発行して国債を買い続ければヘッジファンドのショートポジションなんかに負けることはあり得ません。
ですが、近年の金融市場は複雑になり、理論だけでは説明できない動きもあるので、もしかしたらもしかするのかもしれません。流石にヘッジファンドも無策で突っ込んでくるような無謀な賭けはしないでしょうからね。
過去にも日銀にケンカを売って惨敗していく海外勢のヘッジファンドがいくつもありました。日本国債は、価値が激減しているとはいえ世界でも有数の信用力を持つ日本円という通貨が背景にあるわけですから、日銀がそう簡単にギブアップすることはないでしょう。
そんな日銀を相手に、今度こそ海外勢のヘッジファンドが勝利をつかみ、『ブルーベイ・アセット・マネジメント』の名前を金融史に残すことができるのでしょうか。これからの動きに注目したいところです。