日本人なら誰もが知っているだろうという”定番商品”が、今年の4月出荷分から値上げすることが分かりました。しかも、その値上げ率は20%ということですから、かなりの大ダメージです。
さて、その”定番商品”というのは・・・ズバリ、『うまい棒』。
J-CASTニュースの取材に、販売元のやおきんから通知を受けた複数の卸売業者が認めたということで、現在の希望小売価格は税別10円となっているが、2022年4月1日出荷分から税別12円になるという。

やおきんの角谷昌彦代表は、値上げの経緯を以下のように伝えている。
「現在主原料のコーンや植物油をはじめとした原材料全般の価格上昇に加え、包装資材・配送費も大幅に上昇しております。
これまで生産、物流、管理コスト等あらゆる点で、コストダウンの努力を続け、販売価格への転化を抑えてまいりましたが、このような状況下では自社内で許容できる範囲をはるかに超えてきており、今後も商品の継続・安定供給を図る為に、誠に恐縮ではございますが、商品の価格を下記の通り改定させていただきたいと思います」
うまい棒といえば、私が子供の頃から1本10円で販売していた駄菓子です。昔からとても大好きでした。
私が小学校に入学する前までは、ギリギリ昔ながらの駄菓子屋さんが近くにあって、よくうまい棒と細いこんにゃくゼリーが好きで買いに行ってました。

あと好きだったのが、『島田のラムネ』という駄菓子で、最近この駄菓子が関西限定だったことを知って衝撃を受けました。

他にも好きな駄菓子は挙げていけばキリがないのですが、そんな駄菓子たちの中でも常に圧倒的なエースなのが、『うまい棒』でした。
1本10円にしてはとても満足感が高いですし、色んな味があるのが良いですよね。個人的にはやっぱりめんたい味が一番好きだったのですが、たこ焼き味やチーズ味も定番で好きでした。
正直言って、12円でも破格のお値段だと思うのですが、1979年の販売開始当時から10円という価格を守り続けたやおきんさんには頭が上がりません。
しかしやおきんさんが仰る通り、原材料となるコーンなどの価格上昇はどうしようもありません。逆に40年以上、値上げせずに販売を続けてきたこと自体が異常なのです。
1979年当時、大卒初任給は公務員で97.500円、ラーメンが一杯で290円程度だったといいます。現在のラーメンの価格が大体1,000円前後だということで、およそ3〜4倍くらい、食料品の物価上昇があったと考えられるのではないでしょうか。
つまり、うまい棒の価格は1本30円程度でもおかしくないのですが、ここにきてようやく、12円まで値段が引き上げられることになったのです。
これまでのやおきんさんの企業努力を考えれば、どうぞ値上げしてくださいというようなものですが、これから先、企業努力では限界を迎えた定番商品たちが物価上昇する可能性は大いにあると言えるでしょう。
ちなみに、公務員の大卒初任給は、2021年時点で国家公務員の総合職で23万2,840円となっているようです。1979年から比較して、およそ2.4倍と物価に比べれば随分と緩やかな伸びで、かつ当時よりも個人が負担する金額が大きくなっていることを考えれば、実質手取り、購買力は著しく下落していることでしょう。
働いて給料を得ることだけでは、豊かになれない理由が、長期的なデータからも読み取ることができます。豊かになるためには、給料だけでは不足していると言えるのではないでしょうか。