ブルームバーグの報道によると、アマゾンは17日、英国の顧客に電子メールで、19日から適用されるはずだったビザカードの利用停止方針を撤回すると通知したということだ。

英Amazonは2021年11月、「Visaが高額な手数料を課している」ことを理由に2022年1月19日から英国発行のVisaカードによる決済が利用できなくなると発表。一方のVisaは「将来的に消費者の選択肢を制限すると脅していることに失望している 」とコメントを発表。「消費者の選択が制限されると、誰も勝者になれない」との考えからAmazonと解決に向けて取り組んでいるとしていました。
この報道を受けて、昨年は米国株市場が好調だったにもかかわらず、ビザはそれほど良いパフォーマンスを上げることができませんでした。コロナの影響で人々の消費欲が上がらない状態だったので、クレジットカードの会社であるビザにも逆風ではありました。
その中で、アマゾン・ドット・コムがビザの利用を停止すると発表したので、かなりのマイナス要素に捉えられていました。
しかし、アマゾン・ドット・コムにとっても、ビザとの取引停止はマイナスにしかならなかったようだ。英オンラインメディアIndependentの調査によると、AmazonでVisaカードの利用が制限された場合、13%の英国ユーザーがAmazonでの購入を減らすか、完全にやめると回答したとのこと。金額にして、年間13億5600万ポンド(約2120億円)の売上が失われる可能性がありました。
なんだかんだ言って、ビザはやっぱり強いなと感じました。まだ完全に解決したわけではありませんが、クレジットカード業界でトップシェアを取り続けているビザを排除してしまうと、自社サイトの売り上げを大きく損ねる結果になりかねません。だから実店舗でも、クレカが使えるならVISAブランドは利用できるお店がほとんどなのです。
決済サービスを提供している企業では、結局シェアがものを言います。シェアが大きい決済サービスを利用可能にしていなければ、前述の通り販売機会を大きく毀損してしまうことになるからです。
最近では、他の決済サービスが広まったことでビザ自体のシェアも以前ほど盤石とはいえなくなりましたが、例えば対抗馬となりつつあったQRコード決済は、大掛かりなキャンペーンをしなくなった途端、利用者が激減し、すでに時代遅れとなってしまいました。
電子マネーなどは今でも利用者が多いですが、それらのサービスにもクレジットカードを連動させているパターンがほとんどですので、結局ビザが最強ということになってしまいます。
私自身は最近は、全くビザを買い増ししていませんが、もちろん売るようなタイミングもなかったので、着実に資産が増加していってます。これからも全く新しい決済方法が広まり始めることがない限り、ビザには長期的に投資をしていきたいと思います。