なお、企業物価。
日銀が14日発表した2021年12月の国内企業物価指数(15年平均=100、速報)は、前年同月比8・5%上昇の108・7だった。21年の年間を通した指数は前年比4・8%上昇の105・1となり、比較可能な1981年以降で最大の伸び率を記録した。原油など原材料価格の高騰と円安に伴う輸入物価の上昇が影響し、歴史的な高水準が続いている。
年末年始にかけて、1USD=116円台をつけるなど、一気に円安が進んだことが話題になっていました。米金融政策の正常化プロセスの前倒しがかなり織り込まれ、米中期金利が上昇したことでUSDへの資金の流出が増えたのが主な理由だと思います。
おかげさまで、年末年始にアメリカでクレジットカード決済をした物の為替レートがものすごく高くて、少し損した気分になりました。まあ、大した額ではないので、気にしてませんが・・・
それはさておき、年末にかけての円安に伴う輸入物価の上昇や、原油価格の高騰によって、企業が仕入れる際の物価指数が前年比で8%以上も上昇したということですから、大変です。
我々消費者にはすぐに影響があるわけではないですが、近い将来、食糧や消耗品、光熱費の上昇は免れないことでしょう。
そもそも日本の物価は何十年も大きく変わっていないのが現状で、企業努力によってなんとか抑えているところがあります。端的にいえば、日本企業が儲かっていないのは、日本人の金払いが良くないからです。
そんな状況において、仕入れにかかる物価が大きく上昇したとなれば、さすがに企業も努力だけではどうしようもなくなってしまいます。営利目的の株式会社は慈善事業ではないですからね。
政府が求めるインフレ率を達成することができるかもしれませんが、庶民は不景気なままなので、このままいけばスタグフレーションに陥るという負のスパイラルになりかねません。
それだけでなく、現在世界的に物流が不足している関係で、ジャガイモが大幅に不足している状態です。
加えて、トンガ沖で今月15日、大規模な海底火山の噴火が起き、その影響も大きくなりそうな予感がします。

海底火山とはいえ大規模な噴火が起きたことで、巻き上げられたエアロゾルによって、太陽光が遮断されて寒冷化が予想されるとのこと。今後数年間は平均気温が0.5℃ほど低下する可能性があり、それが事実となれば、農作物が取れず、世界的な食糧難になる可能性も高いです。
もちろん、巨大な農地を有する米国も被害は甚大で、自国内のサプライチェーンを賄うだけで精一杯ということになれば、日本や他の国へ輸出する食糧は激減するでしょう。
つまり日本は、2020年代こそはインフレもといスタグフレーションに悩まされることになるかもしれません。
企業の業績も悪化すれば、皆様の年収も今よりも下がってしまう可能性だって否定できませんから、お仕事だけで生計を立てるという考えは今すぐにでも捨て去ったほうが良いかもしれません。
将来のため、自分と家族が生き抜いていくため、資本主義社会において、資産やお金は重要なツールです。資産形成をして、蓄えを作っておかなければ、本当に命に関わるかもしれない事態が、すぐそこまで迫っているのかもしれません。
日本は長い間成長せず、ダラダラと過去の遺産を食いつぶしてきた国ではありますが、本当の地獄はこれから訪れようとしているのかもしれないということを頭に入れておいたほうがよさそうです。