お笑いコンビ「オリエンタルラジオ」のあっちゃんこと、中田敦彦さんが今月18日、自身のYou Tubeチャンネル「中田敦彦のトーク-NAKATA TALKS」を更新。禁酒をして約1カ月の感想を話す場面があった。

「YouTube大学」の講義で、アルコール依存症の危険性などを説いていた中田。そして自ら率先し禁酒を宣言してから約1カ月、自身に起きた変化を語った。「まず睡眠の質が向上して、夜中に起きなくなり回復力が上がりましたね。そしてプラスで自己肯定感が上がる、『あ~きょう飲んじゃったな』とかが無くなるから、朝起きた時に『よし、目覚めがスッキリ。酒をやめれた俺は偉い』ってなります」と満足げに語った。
ここで、スタッフから「テレビでは言えないですね?」と聞かれると、中田は「言えない。『お酒やめました、良かったです』なんて、言えないですよね」と苦笑。「事務所に所属してても『CM来るかもしれないんだから、そういうのやめとけ』とか言われそうですけどね。フリーのYouTuberだから言えるってところはありますよね。昔だったら不安だったろうけど、自由に楽しくやらせてもらってます」と話した。
民放のテレビ局にとって主な収入源となるのは、スポンサーからの広告料です。テレビ放送の合間にCMを流すための枠を売って、テレビ局は収入を得ています。
だからこそ、テレビタレントというのはイメージが大切で、タレントをCMに起用して商品のイメージを良いものにしようと企業側も頑張っています。
でもそのせいで、有名なタレントには”言論の自由”がありません。スポンサーにお酒の会社が入っている番組で、禁酒を勧めるような発言をすれば、そこはまるまるカットされるか、最悪番組から降ろされる可能性もあります。
開催まであと1ヶ月を切った東京オリンピックですが、一時的にお酒の提供をするような報道もありましたが、これにはオリンピックのスポンサーに入っているアサヒビールへの忖度だと言われています。オリンピックでの飲酒禁止をアサヒビールが”支持”したことで一応の決着は着きましたが、お金を出しているスポンサーへの忖度は暗黙の了解となっているのが実態です。
ですが、お酒は圧倒的に身体に悪い飲み物です。『酒は百薬の長』という言葉がありましたが、最新の研究では、お酒が身体に良い影響を与える量というのは無いことが判明しました。つまり、少量でも体にとっては害悪であり、『酒は百薬の長』というのは、昔の酒飲みが言い訳のために作った言葉なんじゃないかとも言われています。
そんな、身体に悪いだけのお酒が、今もテレビでCMを流して販促をしているのは、ひとえに、お酒が安定した利益を生み出すコンテンツだからです。
お酒は飲まない人は一切手をつけませんが、毎日飲まなくてはやってられないという人も少なくありません。
私は元々自宅ではお酒を飲みませんでしたが、コロナが始まってから飲み会の機会も一気に減り、昨年11月にオフ会でお酒を飲んで以降は、半年以上、一切お酒を口にしていません。
ですが、依存をしてしまっている人にとっては、冷蔵庫に冷えているビールが無ければ、耐えられないというレベルのものであり、こういう人々がお酒の安定的な売上をキープしているのである。
お酒だけでなく、タバコや甘いものといった嗜好品には、強烈な依存性があります。そういう嗜好品は企業にとっては、まさに金がなる木ですから、大々的にCMを打ち出して販売しようとするわけです。
反面、そういった依存度の高い嗜好品を扱っている企業は、将来にわたって儲けの見通しが立ちやすく、個人投資家の投資先としても人気の企業が多いです。
本当に長い目で見るのであれば、こういった依存性の高い商品を取り扱っている企業への投資を強化していくのもありなのかもしれませんね。タバコは7世紀の古代マヤ文明の時代から、お酒に至っては紀元前4000年以上前、メソポタミアで人類が農耕生活をはじめた頃から人類が共存している嗜好品です。
人類史にすでにプログラムされてしまった、嗜好品という贅沢からは本能的に逃れられないのかもしれません。
いくら影響力のある有名人が禁酒を勧めたところで、人はそう簡単には変わりませんからね。あっちゃんもこれからずっと禁酒を続けることができるのか、興味深いところです。