世界三大投資家の一人であるジム・ロジャーズ氏が、市場は年内に下げ始め弱気相場に入ると、自信なさげに話している。
ジム・ロジャーズ氏が The Income Generation Showで、各国の大規模な刺激策についての課題を語る場面で同様の発言をしたということです。
私はマーケット・タイミングがひどく下手だが、年末までには価格が高くなりすぎて、下げが始まり、恐ろしい弱気相場が始まるのではと考えている。
タイミングを図るのがひどく下手だということを、ジム・ロジャーズ氏本人が理解しているのは意外だったが、彼が主張することには、年末には弱気相場が始まるのだという。
彼の主張が年単位で”ずれる”ことはよくあることで、著名な投資家の発言だからといって全くあてにはならないが、いずれ弱気相場が訪れるだろうというのは予言をしなくても分かりきったことである。
マーケットの弱気相場入りが今年の年末なのか、それとも2年後、3年後、もしかしたら5年後なのかは誰にも分からないが、今の相場が景気対策によってある程度の過熱感を帯びているのは確かです。
米連邦準備理事会(FRB)は15─16日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で、利上げ時期の見通しを2024年から23年に前倒したことも話題となりました。
最近はそう単純なものではないが、一般的には利上げ局面では株式のリターンが下がるため、売りが優勢になることが多いです。しかし、現状が歴史的な低金利ということもあり、数十年前と比べればまだまだ株式の優位性は変わらないとも感じます。
過去10年間の株式のリターンは平均と比べればかなり調子が良かったこともあり、これからリターンが下がり、平均へ収斂していく可能性も大いにあると思います。それでもなお、株式投資は現預金に比べれば素晴らしいリターンであることに変わりはありません。
ジム・ロジャーズ氏がなんと言おうと、FRBが金利を上げようと、世界中の人々が営む経済活動においては、ほんの瑣末な出来事です。長期投資をするのであればそんな戯言に惑わされてはなりません。
むしろ株価が不調で10年間ほどレンジ相場を迎えるというのであれば、その間にこそ優良株を仕込むベストなタイミングと言えるのではないでしょうか。長期投資家としては、まだ若い今のうちに弱気相場が訪れるのは、むじろ好都合とも感じます。
老い先短いジム・ロジャーズ氏の忠告を真に受けて、持株を全て手放してしまうのはもったいないなと私は思います。