厚生労働省の調べによれば50歳で「貯金0円世帯」は約37%に上るということだ。このままでは老後破綻が必至な情勢だが、意外にも生き方一つで明るい老後を迎えられることが判明したと日刊SPAに掲載されておりました。

50代にして世帯での貯蓄がゼロというのは、すでに老後破綻の危機に直面していると思いますが、全体の4割弱が、老後破綻の危機に直面していると言えるのです。
しかしファイナンシャルプランナーの長尾義弘氏は、50歳からの生き方一つで老後破綻を免られると主張する。
世帯年収510万円と仮定して50歳からのお金の使い方を解説しております。
前提として、夫の給与と妻のパート代を合わせた世帯年収は、510万円。
15年前に東京郊外に2500万円でマンションを買い、35年ローンで毎月7.5万円を返済している。
今春、子供が私立大学に進学し、入学金・授業料などを払ったことで、夫も妻も貯金はゼロになったものと仮定しています。
「このような家庭の場合、夫婦が65歳からもらえる年金額は月22万3,000円(現時点)。社会保険料などを引くと、約21万円で老後の生活をすることになります。これでは、安心した生活を送ることはなかなか難しい。しかし、50歳貯金0円でも、ここから貯金すればまだ間に合います」と長尾氏は主張する。
子供が大学を卒業した4年後、54歳から月に5万円ずつでも貯金をすることが大切だと主張する。毎月5万円の貯蓄を、定年である70歳まで続けることができればそれだけで900万円を超える貯金ができることになります。
ここから葬儀代(全国平均で約195万円)や医療費を考えると、平均寿命付近の85歳時点で約350万円は死守したいところだということ、これを考えれば、貯金を取り崩すのは毎月3万円程度になる試算になります。
ちなみに、一旦要介護になると総額約800万円がかかるという試算もあるので、健康を維持することが重要になってくるだろうということです。そもそも70歳まで働く前提ですから、心身ともに健康は重要だと言えるでしょう。
それでも、貯金と年金で毎月25万円程度の支出をすることが可能なので、夫婦二人の生活であれば、十分な暮らしぶりを期待できるのではないでしょうか。
つまり、最悪54歳から無理のない程度の貯金をするだけでも、恐れられている老後破綻を避ける可能性は高まります。また、貯蓄だけでなく投資をすることでさらに余裕を持って資産を取り崩すこともできるだろうと思います。
貯蓄や投資については早めに始めた方が有利なのは確実ですが、50代前半で貯蓄がゼロでも諦めることはないと思います。特にこれからの時代は70歳でも働くことが当たり前になるでしょうから、『働き続けること』を前提とするならば、まだまだやり直せると言えるのではないでしょうか。