就職や働き方について、考えさせられる記事が多いキャリコネニュースに、今朝も興味深い記事が投稿されていました。

キャリコネニュースで「あなたの世帯年収への不満を教えてください」という募集内容で、年収300万円台の20代〜30代のリアルな声を集めて紹介したものだが、シンプルながら悲痛な声が数多く寄せられていました。
奨学金の返済が少々キツイ」(男性/千葉県/不動産・建設系/年収300万円)
「海外旅行をするお金がありません」(男性/北海道/IT・通信系/年収350万円)
また、20代後半の独身者たちは、「地方の中小企業になるため、平均年収には届かないと諦めている」と、はなから諦めの姿勢を見せている。
大阪府の女性は年収300万円のメーカー勤務。「生活に割と余裕はある」「並みにもらえている」と感じているが、これからの結婚や出産などを考えると、今から「節約しなければいけませんね」と書いている。ちなみに家庭を築いても「趣味の旅行は続けたい」そうだ。
長野県の男性もメーカー勤務で、こちらは年収350万円。「地方の中小企業になるため、平均年収には届かないと諦めている」とこぼす。目下のところ給与に不満を募らせており、「首都圏ほどは望まないが、もう少しベースアップがあってもいいのに」と書いている。
ここで注目したいのが、投稿者のほとんどがやはり地方で働いている方たちだということだ。千葉は首都圏、大阪は関西では一番の大都市だと思うかもしれませんが、やはり都内の企業と比較すれば収入は格段に下がってしまうのが現状です。
私も東日本大震災後の採用控えの中、なんとかして入社した大阪の企業では初年度の年収が380万円程度だったと記憶しています。それも、「会長に気に入られていた」という謎の査定でボーナスにかなり色をつけていただいての年収380万円ですから、毎月の月収は手取りで20万円あるかないかという程度でした。
しかし、幸いにも関西に帰ったことで実家から通勤することができたので、収入の半分程度は投資に回すこともできましたし、少額ですが実家にお金を入れることもできました。
それはさておき、実際に地方都市の企業では、20代前半では年収400万円というハードルを超えるのも困難です。本当に都心の大手企業と比較すれば、新卒でも年収で100万円〜くらいの差があるんじゃないかなと思います。
そんな現状ですから、やはり30代になっても結婚などは考えられないという声も多く、ますます地方に子供ができなくなる悪循環に陥っているのが現状でしょう。
先日、「全国一律で時給を1,500円に!」という全労連の試算を紹介しました。

時給1,500円の是非はともかく、一律で時給を大幅に引き上げるとインフレ懸念や、前述のような安月給でも働いている人が多い中小企業の倒産原因になりかねません。結果的に地方では、今よりも『働く場所がない』ということになりかねず、韓国での失敗例と同様、若年層の失業率の大幅な上昇が見込まれるので、実現には程遠いだろうと思います。
しかしまあ、流石に年収300万円程度では、現実的に生活できず、将来に希望が持てないということには否定のしようがありません。
またそういう企業の方が得てして仕事が多く、転職活動に割く時間を取りづらいというデメリットもあります。
本格的なブラック企業では、サービス残業のせいで時給で計算すれば最低賃金を下回っているなんてこともよく聞く話です。
私も20代の間にたくさんの企業を渡り歩いてきましたが、幸いそこまでブラックな企業に当たることはありませんでした。なので、想像の域を超えず、批判される点もあるかと思いますが、まずはやっぱり転職を頭に入れるべきだろうと思います。
転職のための時間が取れないほどの激務だというのあれば、恐らく病院に行けば診断書とかをいただけるはずですので、休職しながら転職活動をするのも手ですし、そんなものは認めないというレベルの会社なら、思い切って辞めてから転職するのもありでしょう。
あくまでこれは20代・30代前半で低年収で苦しんでいる人々への意見ですから、年齢が高くなればなるほど転職しづらい今の日本では、後先考えずに転職をする期限というのがあると思いますが、20代なら全然、仕事を一旦やめてから再就職を目指すというのも可能だと思います。
もちろん、中途採用の就職活動は、それまでの経験を元に判断されるので、今の会社でどれだけの実績を残せたのか?というのを示す必要はありますがね。
ただ、私の同僚にも、20代前半で全く別の職種から新規で経理マンとして入社してきた若手もいるので、転職を心に決めたなら、できるだけ早く行動に移すことが重要と言えるかもしれませんね。
どんなことでも、迅速に行動に移せた人がやっぱり一番強いのだと私はそう考えています。