近年話題を呼んでいる『SDGs系投信』ですが、これらの投資ブームに金融庁も目を光らせ始めたようだ。

そもそもSDGsとは、「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称で、2015年9月の国連サミットで採択されたもので、国連加盟193か国が2016年から2030年の15年間で達成するために掲げた目標です。
SDGs自体は素晴らしい取り組みだと思いますが、SDGsやESGを重視する企業を投資対象に定めた“SDGs系”の投資信託がここ最近一気に増加傾向にある。現にSDGs系の売れ筋投信ランキング30本中、16本が設定1年未満だということです。
楽天証券経済研究所ファンドアナリストの篠田尚子さんは、
「SDGs系投信の多くは十分な実績データがなく、まだ正当な評価が難しい。また、どこまでSDGsやESGの視点で銘柄を選んでいるのか不透明なケースが見受けられます」
と主張する。そんなSDGsやESGと言った『環境に優しい』企業をまとめた投資信託の売れ行きが好調な背景には、それを買うことで社会貢献ができていると勘違いする投資家が増えているようだ。
SDGsやESGの観点から銘柄を選ぶ投資信託は、アクティブファンドですので、どうしてもコストが割高になります。
SDGs系投信の信託報酬は年率1.7%以上のものが大半だということ。これは100万円の投資で年1万7千円差し引かれる計算で、リターンが大きく削られることになります。
要するにSDGs系の投信は、『もうけ』を重視して買う投信ではないと言えるでしょう。
また、SDGs投信への投資が”社会貢献”につながると考えていることもある意味勘違いだと思います。
SDGsに限らず、そもそも投資という行為そのものが社会貢献につながる行為です。SDGsへの投資はもちろん、これらの投資信託に加入していない企業への投資も、社会貢献です。
株式会社は株主から投資された資金を元に営利活動を行っております。我々が市場でモノを買うことができるのは株式会社の活動ありきですから、結果的に株式会社への投資活動は全て社会貢献につながることになるのです。
ですから、わざわざコストの高いSDGs系信託へ投資をしなくても、もっと素晴らしい優秀な企業への投資をするだけで、社会貢献度を高めて満足することができるのではないかと思います。
投資の目的はやはりリターンを高めることにもあるかと思います。そのためには、精神的な満足度だけでなく、現実的に”儲かる”投資をすることが必要なのではないでしょうか。