先日、とある動画を見ていて、思わず「なるほどな〜」と考えさせられた話がありました。フィクションではありますが、とても興味深い内容だったので、紹介したいと思います。
『村一番の馬鹿』
ある村に一人の男がいました。その男は大層な馬鹿だということで周りの村民から笑われており、その馬鹿さ加減はその村だけに留まらず広く知られていました。
なんでもその男に、ピカピカの50セントコインと、クシャクシャの5ドル札を差し出し、「どちらかをあげよう」と言うと、いつも喜んで50セントコインを取るのだという。
もちろん、5ドル札は50セントコインの10倍の価値がある。
なぜでしょう?
と言う問題です。なぞなぞというわけでは無いのですが、答えがわかると「なるほどな〜」と思う内容です。
なぜその男性は高額な5ドル札を選ばずに50セントコインを喜んで取るのでしょうか。単なるコイン収集家でしょうか?
皆さんもお考えください。
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分かりましたか?
では、答えと解説を発表します。
正解は、『50セントを選べば、繰り返し人から50セントを貰えるから』です。
意味が分かりますか?解説します。
この『馬鹿な男』は、お金の価値が分かっていない馬鹿のふりをして、50セントを取れば、人は面白がって、何度も50セントをくれると考えたのです。
もし、10人が面白がってこの馬鹿な男をからかって50セントずつくれれば、それだけで5ドル稼ぐことができます。20人なら10ドルですよね。
ですが、正直に5ドル札を受け取ってしまえば、一気に5ドル稼げる代わりに、周りの人々は興醒めして、二度と『50セントと5ドルのどちらかが貰えるゲーム』を振ってくることはないでしょう。
つまりこの男は、一度に大金を得ることよりも、継続的にコツコツと小さい収入を得て、結果的に大きな利益を得る可能性に賭けたのです。
周りの人間から馬鹿にされ続ける覚悟を決めてまで、50セントを受け取り続けた男は、総額ではいくら稼ぐことができたんしょうか・・・結局この話では、この男が馬鹿だったのではなく、周りの人々が馬鹿だったという見事なオチだと私は思いました。
これはなんとなく、投資にも繋がる話のようにも感じました。例えば少額の収入を継続的に得るための投資、高配当株投資は、近年馬鹿にされ続けてきました。高配当株でも株価が下がり続けるなら投資先としては微妙だというのは確かに一理あるでしょう。
対して、一時的なリターンを求めた高成長なグロース株投資が調子が良い時期でしたが、今年に入ってコロナが落ち着く様子が見え始めると、あまり成長しなくなってしまいましたよね。
一気に資産を爆発的に増加させようとすると、一時的に増加することはありますが、長期的な目線で見ると、ピーク時よりは株価が下落してあまりリターンを得ることができなかったということはよくある話です。
対して、配当金目当ての成長性のあまりない企業への投資も長年配当金を受け取り続ければ、投資元本はそれだけで回収できてしまうかもしれません。
もちろん、グロース株でもうまく乗り換えるタイミングを掴むことができる人にとっては素晴らしい投資先になるかもしれませんし、反対に高配当株でも株価があまりに高すぎるところで掴んでしまっては報われない投資になるでしょう。
しかし、継続的な収入や、再現性の高さでいうと、時流に乗ったテーマ株投資よりは、優良企業への配当再投資なのではないかと私は思います。
どちらの投資法であっても、自分に合った方法を採用すべきだと思いますし、どんな投資法でも強い投資アレルギーを発症していて、投資は悪だ!という人よりはマシだと思いますが、賢明な投資家として市場に生き残り続けるのであれば、いくら周りに馬鹿にされようと、自分が信じた道を通して生き残り続けたいものですね。