東洋経済オンラインにて、今年の2月にアップされた記事が話題を呼んでいます。

世界三大投資家の一人とされている、コメンテーターのジム・ロジャーズさんが米国株投資に言及した記事です。
「ここ20年間はアメリカの代表的な株価指数であるS&P500のインデックス(指数)を買っていれば儲かっていたかもしれない。だが、これから向こう20年は儲からないと思う。今であれば、どちらかと言えば(日経平均株価など)日本のインデックスを買うべきだ。しかし多くの人はすでに上がった資産を買いたくて、日本のインデックスには手を付けないだろう」
ジム・ロジャーズさん曰く、今から20年間S&P500に投資しても大きなリターンを得ることはできないだろうと警告しているのです。
S&P500に投資するくらいなら、日本のインデックスに投資するべきだというのだ。確かに世界的な株の上昇によって、日本株も日経平均株価が3万円台を回復したことが話題となりました。
しかし、その後の日経平均は3万円台の付近でウロウロしており、3万円を大きく突破する勢いはいまだに見えない。

対して、S&P500は4,000を超えて、成長性を見せ付けているのである。

この間に、NYダウも3万ドルを大きく上回り、3万4千ドルを超えるなど、好調さが際立っています。
日本株と米国株を比べれば、今でも米国株の方がリターンは大きくなっている。
もちろん、めちゃくちゃ短い期間での比較ですので参考にはなりませんが、今後20年間投資をしたいというのであれば、本当に日本株へ投資しても大丈夫なの?と思います。
日本人だからこそわかりますが、これから20年の間の日本にそれだけ希望が持てますか?日本企業は今でこそまだ、世界に通用するものがあるかもしれませんが、20年後には今よりもジリ貧になってしまうだろうと思います。
一方で米国企業は、今でも世界中で通用するような大手企業がゴロゴロありますし、これから先の10年20年を牽引しそうな新しい芽も成長しています。日本企業に同じような将来有望な株はありますか?
トヨタやSBG、ユニクロに変わって時価総額のトップクラスに躍り出るような世界を牽引する技術やサービスが日本から生まれるとは考えづらいのが悲しいところです。20年後も世界的に見れば有数の経済大国ではあるのでしょうが・・・実体経済はそれほど楽観的には思えません。
以前よりはマシになったとはいえ、投資に積極的な国民もまだまだ少なく、経済的には日本は緩やかに衰退していくのだろうと思います。
米国株の方が好調で割高になっているように見えますが、米国はそれを相殺して有り余るほどの成長可能性を秘めています。米国企業も今の大手企業がそのまま大手であり続けるかどうかはわかりませんが、新陳代謝があるので、これからどんどん成長していく企業もたくさん出てくるだろうと思います。
確かに、今の株価が適切かどうかは分かりませんし、近い将来株価が調整する可能性は大いにあるでしょう。それでも世界一の株式市場である米国企業への投資を避けて、低成長でバブル期の株価すら上回ることができていない日本株に全額をベットするのは賢明な判断とは思えません。
そもそもジム・ロジャーズさんは数年前まで、日本株は投資先として魅力的ではないと主張していました。その期間の方が日本株は大きく成長したにもかかわらず。
ですがコロナショックの影響が米国よりも少なかったことをみると一転して日本株信者になり、結果的にかなりのリターンにはなっているはずですが今度は自分も投資している日本株のステマに走っているだけなのです。
ジム・ロジャーズさんの助言をもとに株式投資を進める人も、まず居ないとは思いますが・・・彼らのポジショントークは例え世界三大投資家の言うことでも心から信用してはならないということがわかるのではないでしょうか。