4月12日に放送された日本テレビ系列の『月曜から夜更かし』にて、全国でもトップクラスの平均年収を誇る、北海道のとある村が取り上げられていました。

市町村別の年収ランキングを見ると、東京都の港区や千代田区、兵庫県の芦屋や、長野県の軽井沢など、一目でお金持ちだと分かる街に混ざって、北海道・猿払村が第9位の平均年収620万円となっている。
北海道・猿払村は、日本最北端の村であり、ホタテの漁獲量で日本一となっており、大儲けしているのだという。

ですので、ホタテ漁師の方達は大儲けしているようで、調子が良い年は3,000万円ほどの収入があったということです。

しかし、村の中ではお金を使うところが無いということで、資金が有り余っており、家の内装にお金をかける家庭がほとんどだということです。

北海道の猿払村といえば、元プロレスラーの長州力さんが、関西ローカルの『相席食堂』という旅番組で、猿払村のホタテを食べて「食ってみな、飛ぶぞ」とコメントしたことで、若者を中心にバズり、再び脚光を浴びるきっかけとなったことでも知られています。

食ったら飛ぶほど美味しい猿払のホタテは、今でこそ日本一でブランド力もあるのですが、50年前までは猿払ではホタテは獲れなかったみたいです。
元々は、炭鉱や林業で栄えていた村だそうですが、50年ほど前にそれらが廃れてしまい、相当貧しい村だったそうです。
しかしその時の村長と漁業組合が団結して、村の予算のおよそ半分を5年間もつぎ込み続けて、ホタテの増殖事業に取り組んだということです。
事業を始めてから10年ほどは、辛酸をなめる結果となり、貧しいままでしたが、試行錯誤を繰り返して、昭和49年に初めて水揚げに成功したそうだ。
それ以降徐々にホタテは増殖し続け、今やホタテの水揚量日本一を誇る村にまで成り上がったという。
彼らも背水の陣で事業に投資して、長年苦労をしましたが、村の将来を考えて行動し続けたことで、猿払村は、全国でも屈指の高収入が見込める素晴らしい村へと変貌を遂げたということです。
ここで注目したいのが、猿払村がホタテ事業を始める以前に、すでに貧乏だったことです。もともと財源があった村が、収入源がなくなってきたので次の事業に取り組み始めたというのではなく、貧しいところから苦肉の策でスタートして成功を収めたという点が素晴らしいと思いませんか?
始めはそれほどお金がなかったとしても、将来を信じて投資をし続ければ、長い目で見れば大きなリターンが帰ってくるということがわかります。
これは投資というよりも事業ですから、もし仮に失敗していれば大きな損失を抱えて、猿払村は大合併の影響で歴史から消えていたかもしれません。
ですが、今も一つの村として形が残っているのは、半世紀前に将来を見越した投資をし続けた村民たちの活躍があったからこそではないでしょうか。
投資というものは、数年後の未来に花を咲かせるつもりでやることではありません。猿払村も10年間耐え忍んだ結果、今の姿があるわけです。
数十年後のために、お金がない今からコツコツと準備をして大きく実ってから収穫するというのが投資の本来の考え方なのではないでしょうか。
猿払村の奇跡の回復劇は、全ての投資家が心に刻んでおくべき事例なのではないかと私は思いました。