一般的に投資ファンドと言われると、「なんだか難しそう」「頭良さそう」「お金儲けのプロなんだろうな」などと言ったイメージを持たれるのではないでしょうか。あるいは、投資に少しでもアレルギーがある人なら、「胡散臭そう」なんて思うのかもしれません。
確かに、ファンドやファンドマネージャーなんていう人たちは学歴も経歴も素晴らしく、肩書きだけは一丁前というケースが往々にしてあります。しかし、『アクティブファンドの7割以上が数年間のリターンでもインデックスに敵わない』と言われるように、実績として儲けることができているファンドはそれほど多くないことが分かります。
さらに、『ヘッジファンド』なんて聞くと、「名前は聞いたことあるけど、よく分からない・・・」「なんとなく凄そう」という印象を受けませんか?ヘッジファンドは天才集団の集まりだと考えている人も多いのではないでしょうか。
しかし、素人投資家でも十分にヘッジファンドに勝てることもあるということが今回判明しました。
ブルームバーグの報道によると、ゲイブ・プロトキン氏率いるヘッジファンド、メルビン・キャピタル・マネジメントの1-3月(第1四半期)の運用成績はマイナス49%と低迷したということだ。

この名前だけではピンと来ないかもしれないが、ゲームストップ株を空売りして、個人投資家の買い圧力に負けたファンドの一つだと言えば、お分かりいただけるでしょうか。
今年1月に、オンライン掲示板「レディット」に集まる個人投資家の買いでビデオゲーム販売の米ゲームストップなどの株価が大幅に上昇し、同銘柄の値下がりを見込んだポジションを取っていたメルビンなどのファンドは大打撃となりました。その結果、1月度のリターンはマイナス53%と、株式市場が好調だった年初のスタートにしては想定外の大ダメージとなったことがわかります。
対して私は、昨年末時点で資産総額が4,100万円程度であり、現在4,500万円を超えているので、この3ヶ月でさらに10%程度、資産額が増加したことがわかります。
ヘッジファンド、メルビン・キャピタル・マネジメントのパフォーマンスを60%弱、上回ることができました。これは、完全にヘッジファンドに大勝利を収めてしまったと言っても過言ではないでしょう。
ただ、同期間(2012年1月〜3月)のNYダウのリターンは8.4%ですので、NYダウに連動する個別株を中心に運用している私のポートフォリオでは、当然の結果だったと言えるでしょう。
もちろん、こんな短期間でかつ、ヘッジファンドの調子が悪かったタイミングと比較して、自分のリターンをドヤるつもりは一切ありませんが、ヘッジファンドと言えども、資金の預け先を間違えれば、大きく資産が削られる可能性が高いということがわかるでしょう。
そもそもヘッジファンドって何?という方のために説明すると、ヘッジファンドとは、さまざまな取引手法を駆使して市場が上がっても下がっても利益を追求することを目的としたファンドのことを言います。
ヘッジ(hedge)は直訳すると「避ける」という意味ですから、相場が下がったときの資産の目減りを避けるといったところからその名前で呼ばれるようになりました。
しかし、これだけ好調だった株式市場の環境において、メルビンは資産の目減りを避けることができませんでした。まさか、個人投資家が束になって、業績が良くない企業を利用して儲けようとしたヘッジファンドに一泡吹かせようとするとは想定できなかったのです。
ゲームストップの一件は、善悪の話はともかく、後世に残りうる事例だと思います。私は盛り上がりを横目にして普段通りの投資をしていただけですが、たまたま今回はこの反乱に乗じた個人投資家がボロ儲けすることができて、”投資のプロ”たちが負けてしまったのだという構図になっています。
こうした事件は、非常にエキサイティングなことではありますが、個人投資家としてはその波に乗じるのも、見送るのも、自分次第です。
そしてそんな一瞬の急騰に全財産を掛けてギャンブル的な投機に力を入れなくても、NYダウやS&P500などに連動するインデックスや大型株へ淡々と投資をしているだけで、それなりに資産を増やすことは十分にできたのではないかと思います。
今の株式市場が少し好調すぎるのかもしれませんが、あまり雑音を気にすることなく、今まで通りの自分なりの投資を続けることを私はオススメしたいと思います。