最近、若者を中心に株式投資に興味を持つ人々がどんどん増えていると感じます。この10年間を振り返っても、一番投資熱が熱いのはここ2〜3年の間だと実感しています。
先日、楽天証券の発表によると、今年の1月から3月に楽天証券で口座を開設した人の68%が30代以下、45%が女性、75%が投資初心者だったということですから、若年層の女性にも徐々に投資が広まっていることが伺えます。

さらに、堅実に資産を増やそうと考える賢明な投資家も増えているようで、つみたてNISAを活用しているという層がどんどん増えています。そこで、今回はつみたてNISAで知っておきたい3つの心得という記事を取り上げてみたいと思います。
1.値が下がった時に売らない、運用をやめないこと
つみたてNISAは20年という期間が定められている通り、中長期的な目線で考える投資方法です。まだ20代の方にとっては、20年という期間は途方もなく長い時間に感じますが、すでに21世紀になってから20年が経ちました。現在30歳の私でも、振り返ってみると意外と早かったことに驚いています。
20年くらいコツコツと積み立てして放置しておくのなんて、簡単です。意外とすぐに20年なんて経ってしまうかもしれません。
それぐらいの緩い気持ちで中長期投資を考えておくのが良いかもしれません。その途中で何があっても、特にコロナショック並の急落が起きても売らずに運用をやめないことが大切です。
初心者ほど、急激な値下がりを経験するとパニックに陥ってしまう可能性が高いです。もしくは自由に売買を停止できるので積立投資をストップしてしまったりするのです。
それではなかなか資産は増えませんし、せっかく株を安く買えるタイミング、裏を返せば将来の期待リターンが高まっているタイミングで大きく買い増しすることができないのは中長期投資においては非常に痛いと言えるでしょう。
長くとも10年に一度くらいのペースで、大問題が発生して株式市場は大きな暴落を経験することになります。そしてその後回復するまでには数年かかることも、よくある話なのです。
どんな時でも、パニックにならずに淡々と投資を続けることが中長期投資のコツだと言えるでしょう。
2.国際分散投資をすること
古くからの投資についての格言に「一つのカゴに卵を盛るな」というものがあります。なので、世界全体や株だけでなく債券やリートなどにも分散している金融商品を買おう!という人も一定数いるかと思います。
もちろん、”堅実”にいくのであれば、それもいいでしょう。リターンを下げる代わりに暴落時の損失リスクを低くしてくれる投資がしたいというのであれば止めることはしません。
しかし、あまり分散しすぎるとリターンが低くなってしまうのも事実です。ですので投資先は株式一本に絞った方が良いだろうと思います。
また、国際分散投資についてもいろんな意見があると思います。投資信託を中心に投資をしている方を対象にアンケートを取った、『Fund of the year 2020』では、2年連続で『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』が第1位となりました。全世界に投資をするのがベストだという考えは確かにあります。

ですが、全世界に投資するのは、成長性の高い国へ投資する一方、眉唾ものの新興国へも投資することになります。全体の成長の足を引っ張ることにもなりかねません。
それに加えて、全世界とはいうものの、世界中の株式の時価総額で投資しているため、全体の6割弱が米国への投資になっています。
新興国への投資も中国・台湾・韓国の3国への投資が全世界の8%程度の割合になり、その他の新興国への投資は5%弱。つまり、新興国への投資は投資額全体の1割ちょっとということですから、『次に成長するかもしれない新興国』への投資は十分とは言えない状況です。
ですので、私は基本的には米国一本でも良いのではないかと思います。そこにサテライト的に中国やインドと言った、数の暴力で成長してくる成長性のある国へ投資するくらいが良いでしょう。
米国の企業は、世界中で事業を展開しており、もはや世界的になくてはならない企業がたくさんあります。それに加えて、米国株がもし大暴落したとしたら、世界中の他の市場も無傷で済まされることはありません。
それらを考慮すれば、米国への投資をメインに据えた方が良いのではないだろうかと思う次第です。まあ、オール・カントリーでも6割が米国株なら、米国への投資がメインと言えるのかもしれませんが・・・
3.運用成績に影響する「コスト」を確認すること
投資信託には、『信託報酬』というコストが必ずかかってくることになります。それだけでなく、最近はかなり減りましたが、購入時に買付手数料がかかると言った投資信託もありますし、いくらリターンが高くても、そのコストが大きくなりすぎてしまえば、一気にトータルのリターンが下がってしまうのはいう前もありません。
前述の信託報酬は特に、投資信託を保有し続けることでかかるコストですので、できるだけ信託報酬等が低い投資信託を選ぶことをオススメします。
一般的に、前述の『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』や、私もつみたてNISAを活用して投資している『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』と、『楽天・全米株式インデックス・ファンド』などの『インデックスファンド』の方が信託報酬などの継続コストが低い傾向にあります。
アクティブファンドを選択して、市場平均を上回ろうという人の気持ちも分からなくないですが、20年間のトータルで市場平均を上回ることはなかなか難しく、そのファンドを選ぶことができるかどうかは完全に運次第となってしまいます。もしくは、20年後に振り返るとそんなアクティブファンドは無かったということになりかねないです。
ですので、信託報酬も安く、市場平均とともに着実に成長するインデックスファンドへの投資を私はオススメしたいと思います。
結局、何にどれだけ投資するのかは本人のリスク許容度次第ですが、無理なく20年続けることができる投資方法を実践してみてはいかがでしょうか。