最近は株式市場では景気の良い話も聞こえていますが、日本の実体経済は決して思わしくなく、バブル崩壊以後、国民が裕福な暮らしをしていると感じることができているとは到底思えない状況が続いています。
かつては男性が働いて、女性は家庭を支えるという考え方が一般的でしたが、今やそんな古くさい考えをするカップルはごく稀であり、結婚しても夫婦共働きが普通というのが一般的な考え方ではないでしょうか。
とはいえ、女性は扶養の関係だったりの関係で、年収を100万円前後で抑えるように働くというご家庭も少なくはないだろうと思います。
そんな中、『with online』にて、とても興味深い記事を発見しました。

元記事では、夫の年収500万円+妻の年収100万円というモデルケースを用意して、生涯年収から見るお金のヤバイ真実が赤裸々に語られています。
このモデルケースは平均年収400万円台後半の日本においては、それほど特殊なケースとは言えないのではないでしょうか。都内で働いているともっと高年収を期待できますが、地方都市などでは中年世代でも年収500万円程度が普通。ということもあり得なくはないです。
さて、このようなモデルケースの場合、30歳の時点で夫の年収500万円+妻の年収100万円であり、このまま定年の60歳まで働いたとすれば、生涯収入は以下の通りとなる。
旦那さん:500万円 × 30年間 = 1億5,000万円
奥さん :100万円 × 30年間 = 3,000万円
合計:1億8,000万円
また、こちらは額面なので、手取りで考えると社会保険料と税金を引かないといけません。 年収500万円の人の手取りは奥さんを扶養した場合、だいたい395万円ほどになります。 奥さんは扶養内での収入のため、手取りは変わらず100万円とすると、手取りでの収入は以下の通りとなります。
旦那さん:395万円 × 30年間 = 1億1,850万円
奥さん :100万円 × 30年間 = 3,000万円
合計:1億4,850万円
もちろん、30歳の頃の年収が60歳まで永遠に続くという考えもおかしいだろうと思います。昇給があるはずですから、実際の収入はもう少し上昇するだろうと思います。
しかし、昇給が見込めない会社で働いている人も大勢いますし、そもそも昇給はバラバラなので仮定するのが難しいです。また、収入が上がっても社会保険料や税金が上昇して、結果的には手取り収入はそれほど変わらない、もしくは購買力はそれほど変わらないと仮定しても大きな誤差はないのかなと思います。ですので、生涯の手取り収入は1億4,850万円と仮定します。
ここから、家や車、教育費などの大きな出費を考えた場合、30歳から60歳までの期間で残るお金は、「2,900~3,700万円」程度となるということだ。
もちろん、家や車の規模、子供にどんな教育をするのか、また子供が何人いるのかによって変わってくると思いますが、このモデルケースでは、家は3,000万円程度のマンション、車は200万円程度の車体を10年ごとに3回乗り換えたと仮定し、子供は2人で大学まで卒業させた場合を想定しています。
どれもこれも、今の日本においては、それなりに”普通の生活”だと言えるのではないでしょうか。しかし、この普通の収入で普通の生活を送っていると、住居費、交通費、教育費を差し引けば30年間で3,000万円前後、年間ベースでは100万円程度しかお金が余らない結果になるということだ。
つまり、それ以外の生活費を、毎月8〜9万円程度で納めなければ生きていくことができないというのです。この金額の中に、「老後に備えるお金」「夫婦の食費や被服費、日用品、お小遣いなど」「携帯代などの他の固定費」などは含まれていません。
こうやって生涯ベースでお金のことを考えると、結構ギリギリの生活が強いられるということがお分かりいただけるのではないでしょうか。
この生活をギリギリだなと感じるのであれば、やはり対策は「年収を増やす」「支出を減らす」「運用する」の3つしかないと筆者も主張しています。
お金に余裕を持たせるためには、収入以下の出費で生活をし、残ったお金を運用するというのが原則です。毎月の生活費を収入以下に抑えることは、まず第一条件ですよね。
そして30代から60代の子育ても必要な時期となれば、20代の頃のようにお金を貯めるのが容易ではなくなりますので、可能な限り早い段階から投資を通じて資産運用するというのは非常に重要なことなのだと私は考えています。
事実、私は20代のうちに投資に励み、30歳の時点で4,000万円を超える資産を築きました。4,000万円あれば、地方ならそれなりの家を買って維持費にもできますし、子供を一人くらいは医学部にだって通わせてあげられるでしょう。
無理して使わなくても、そのまま運用し続ければ、40代50代で億をこえる資産にすることも可能です。
毎月の生活費の中から、余剰資金を生み出して、それを全力で投資し続ける。それの繰り返しでここまで資産を大きくしてきたというのは紛れもない事実です。
普通の収入で、普通の生活をしようと思ったら、意外とギリギリの生活が余儀なくされるということがお分かり頂けたと思います。だからこそ、収入を高めることを意識し、生活費を切り詰めることができる間に全力で節約し、投資をすることが必要不可欠なんだと私はそう考えています。