昨日、日本郵政グループと楽天が驚きの資本業務提携を発表した。物流分野に加え、モバイル、DXなど様々な領域での連携強化をすすめるとともに、日本郵政が楽天に1,500億円出資することで合意したということです。

楽天と日本郵便は、2020年12月に物流分野の提携を発表し、協議を続けてきたが、より幅広い分野での提携強化に向け、日本郵政グループとの資本提携に至ったとのこと。楽天がこの規模の大型出資を受けるのは「創業以来初」とのことで、日本郵便の楽天への出資比率は8.32%となる。
楽天市場がAmazonと比較して致命的な弱点は、物流面の弱さであり、これを補うことができるのであれば、日本郵政との提携はかなりのプラスとなるだろうと思います。
また、日本郵政にとっても、当然大きなメリットがあります。日本郵政の連結業績を見ると「生命保険」の収益がいまだ高いシェアをとっていることがわかります。ところがかんぽ生命の「不適切販売」事件により、この収益が大幅減になることは確実ですから、楽天の保険業務や、他の収益の柱を探すという意味では、かなりのメリットがあると言えるのではないでしょうか。
楽天は、『楽天経済圏』と呼ばれるような、庶民の生活に根付いた生活圏を築いており、日本国内においては、消費者独占力を有する企業と言っても過言ではありません。日本郵政も当然、オールドエコノミーながら全国の地域に密着したサービスを提供している企業であり、シナジーも大きいのかもしれないなと感じました。
さらに日本郵政は、トヨタ自動車や日立製作所と肩を並べるほどの社員を有しているため、どんどん新しい業種と提携していかなければ、日本郵政という巨大グループを支え続けることは困難なのかもしれません。
Amazonに対抗するために、日本を代表する巨大企業が提携しましたが、これからどんなシナジーを見せてくれるのでしょうか。乞うご期待といったところでしょうか。