大手飲食チェーンの『大戸屋』を運営するコロワイドグループ(7616)が、メニューを3割ほど変更し、大戸屋ランチで50円、メニュー全体で平均20円値下げすると発表しました。

つい先日、大手アパレルチェーン『ユニクロ』を運営するファーストリテイリング(9983)が、ユニクロやGUなどの衣料品を一律約9.1%値下げすることを発表し話題になりました。

コロナ禍において、アパレル関連企業はかなりの苦戦を強いられており同様に苦戦している業界として、飲食業界が例に上がるのは皆さんも感じるところでしょう。今でも都心では緊急事態宣言の延長により、営業再開できていない飲食店で街は溢れかえっています。
コロワイドグループも決して好調とは言えない状況が続いているのは言うまでもないでしょう。例えば比較的好調な外食産業である、回転寿司の業界でもコロワイドは苦戦を強いられている。コロワイドは、回転寿司の『かっぱ寿司』を運営するカッパ・クリエイトを2014年に買収したものの、競合他社の後塵を拝している状況は当時から変わりありません。
業績がヤバいから、売れないから、値下げに転じると言うのは、同じ過ちを繰り返しているだけのようで、私はかなり危機感を覚えてしまいます。
日本が『失われた30年』と呼ばれるほどの長期的な不景気に苛まれていたのも、長期的で慢性的なデフレが一因だと言えます。商品を高く売ることができないから、売上が伸びず、成長性が鈍化しどんどん他の国に追い抜かれることになった訳です。
小学生でも知っている、典型的な『デフレ・スパイラル』が日本が成長しなかった大きな理由なのです。つまり、日本の成長の足を引っ張っているのは、他でもなく日本の国民だと言えるでしょう。
しかし、実際に日本人の購買力は徐々に削られており、安くしないと買わない、安くしないとお客さんがこないと言うのは避けられない事実でもあるのです。
誰が悪いと言う話でもないですが、値下げしてお客さんを呼び込むしか魅力がないなら値下げに頼らざるを得ないのは仕方ないのかなと思ってしまいます。2000年代前半の、本格的なデフレが再び日本に訪れようとしているのかもしれないと、私は本当に心配になりました。
飲食業界やアパレル業界など、景気に大きく左右される企業かつ、薄利多売がモットーの業界は、潰れることはなくても投資するメリットが薄いと言う致命的な欠点があるので、私は投資先としては避けがちです。
投資先としてだけでなく、就職するとしてもこれらの業界は避けてしまいますね。結局は人件費も圧迫されがちなので、まともな給与が貰えないブラック企業が多い業界でもあると思います。これは私のイメージによる偏見も混じっているので、そうでないと言う企業も多いかと思いますけどね。
基本的には『ブラック業界=違法な行為をしなければ儲からない』と言うイメージですから、投資家としても労働者としても、できるだけ近づくべきではないと言うのはお分かりいただけるのではないでしょうか。
私が投資している、マクドナルド(MCD)やコカ・コーラ(KO)は飲食じゃないのか?と疑問に思われるかもしれませんが、米国のマクドナルドやコカ・コーラは、ロイヤリティビジネスを中心とした高収益かつワイドモートなビジネスモデルであるため、逆に私は好んで投資をしたいと感じている訳です。
デフレになったら、実際には投資をするより貯金をしたほうがいいと考えるのが適切ですが、日本が成長しないとしても、他の国々の成長を止めることはできません。
特に経済大国である米国や中国の成長はこれからも続くことになるでしょうから、我々は貯金するのではなく、米国や中国に投資するのがベストアンサーだと言えるのではないでしょうか。
ただ、中国はまだ、投資先として安心できる国ではありません。私も中国株ではそれほど美味しい思いをすることができませんでした。もっと長期的な目線で投資をすれば良かったのでしょうが、本当にストレスが大きいですからね。それに耐えられるなら、中国株も投資先として十分魅力的でしょう。
何にせよ、成長する国や企業に投資すると言うのが株式投資の原理原則。デフレを容認するような日本の企業には、投資冥利が薄いと言うことは頭の中に入れておいた方が良いだろうと思います。