ファーストリテイリング傘下のユニクロが、3月12日から全商品を一律約9.1%値下げすることが、日経ビジネスの取材で明らかになりました。

同じファストリ傘下のジーユー(GU)も、ほぼすべての商品を同様に約9.1%値下げするということで、2016年以来5年ぶりの値下げとなるということだ。
コロナ禍において、アパレル関連企業はかなりの苦戦を強いられており、アパレルは倒産している企業もかなり多いです。コロナの影響だけとは言えませんが、ブランド力の低下やファストファッションの台頭などで不振が続いていたレナウンが昨年、コロナの影響で民事再生の手続きを開始したことが話題となりました。
ファストファッションの台頭の代表格であるファーストリテイリングが大きく値下げをしてしまうということで、日本のアパレル業界はさらに苦戦を強いられることになる可能性が高いです。
私自身も、衣服にお金をかけるのはあまり良いことではないと言っているように、節約志向になった人々がまず始めに控え始める出費は多くの場合、被服費ではないでしょうか。
消費者としては、値下げは大変喜ばしいことです。コロナの影響で収入が減ってしまったという人たちにも手が出やすい価格に抑えられるというのは大変素晴らしいことだと思います。
しかし、ファーストリテイリングや吉野家などの『デフレの勝ち組』と呼ばれた大手企業の資本力を利用した価格競争力によって、日本人のデフレ思考は植え付けられたと言っても過言ではありません。
最近では「ユニクロの服も高い」と言われるほど日本人が出費にシビアになってしまった(貧乏になってしまった)のは、こう言った企業の薄利多売によるデフレ策によるものだと思います。
日本で暮らしていくには、値段が安くで済むため、住みやすいなと感じるわけですが、株式投資をするという視点で見ると、日本株に投資しようという考えはあまり賢明ではないと感じてしまうわけです。
ファーストリテイリングは株価は現在、絶好調。直近で1株10万円台と、史上最高値を更新しておりました。

しかし、この報道を受けて、ファーストリテイリングは5%を超える調整。10万円台を下回りました。そして、日経平均株価への寄与度が高い同社の株価が大きく下落したことで、昨日は日経平均株価が2%を超える調整をしました。

1単元買うのにも1,000万円近い金額が必要なファーストリテイリングへ、簡単に投資できる人はあまりいらっしゃらないかもしれませんが、これから投資してもよほどの長期目線でなければ、あまり大きなリターンを得られるとは思えません。十分に気をつけて投資すべきだろうと私は思います。