バイデン政権は今月2日、米製薬大手メルクが米ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)の新型コロナウイルスワクチンを生産すると発表した。J&Jのワクチンは1回の接種で済み、冷蔵庫で保管可能なため扱いやすい。ワクチンの供給を加速させるため、同政権がメルク(MRK)に対して生産支援を要請したということだ。
ヘルスケア・製薬セクターとして、私が個別株投資をしているジョンソン・エンド・ジョンソンとメルクの2社が共同作業をしてくれるというのは何だか株主冥利につきます。
お互い新型コロナワクチンを開発していた頃はライバルとして争っていた状態ですが、ピンチ時の敵は味方。昨日の敵は今日の友。メルクは新型コロナワクチンの開発から手を引いてしまいましたが、ジョンソン・エンド・ジョンソンの開発した1回の接種で効果的な新型コロナワクチンの製造をメルクが製造するという形でワクチン産業に復帰する形となりました。
ライバル同士が手を組み、ワクチン普及を後押しするというのは、なんというか胸が熱い展開です。ピンチの時には敵も味方も関係なく協力してくれるのは嬉しい限りです。ワシントン・ポストによりますとジョンソン・エンド・ジョンソンとメルクの2社が生産することでワクチンの供給能力が2倍になる可能性もあるということで、米国内では5月末までに全成人にワクチンが供給されている状態を目指しているということです。
これまでは、7月末までに約3億人の米国民全員分のワクチンを供給するとしていたバイデン氏も2日の会見で、「米国の全成人分のワクチンを5月末までに供給できる」と述べ、ジョンソン・エンド・ジョンソンとメルクの共闘を仲介したということから、早期のコロナウィルス対策への本気度が伺えます。
ちょうどその頃、日本では、やっと届いたワクチンが冷凍庫の故障(原因は電力不足)によって、およそ1000回分、無駄になってしまっているというのですからなんともお粗末ですよね。

私は個人的に、さっさとワクチンが普及して、自分が受けることができるようになれば受けたいと思っています。日本人は過度なリスクを嫌う人が多いので、「本当に効くのか?」「副効果があるんじゃないか?」などという心配をしている人がいまだに多いです。
しかし、すでにありとあらゆる人種のるつぼである米国で大々的にワクチン接種が進んでおり、有効性が認められている上に、他のワクチンと大差ない副効果などがレポートされているのですから、必要以上に恐れることはないのではないかと思うのです。
もちろん、妊婦さんや未成年者など、まだ実効性が認められていない人たちは後回しになるかもしれませんが、アジア人の成人への有効性は、少なくともアジア系の米国人によって実証済みと考えて良いでしょう。
その他にもシンガポールやインドなど、アジア各国でもワクチン接種が広まってきています。日本人はそれでも「ワクチンが怖い」と言って接種しないと宣言している割合が多いのは驚きます。もちろんワクチンですから体調不良の時などに接種すれば危険かもしれませんが、必要以上に恐れすぎるのはいかがなものかと思うのです。
まあ、受けたくないという人は受けたくないで結構ですが、私は受けることができるようになればすぐにでも受けたいと思います。ジョンソン・エンド・ジョンソンとメルクの共同作業によって製造された大量の新しいコロナワクチンも、これからどんどん市場に出回ることでしょう。
我々のもとにワクチンが届くのもそれほど先のことではないのかもしれません。できれば一度だけの接種で終わらせたいと思うので、可能ならジョンソン・エンド・ジョンソンとメルクによって製造されたワクチンを接種したいものです。
どちらにせよ、ワクチンに対する日本政府の早急な対応が求められると思う場面です。