『年金2,000万円不足問題』が公表されてから、若年層を中心に一気に投資や資産運用に対する関心が広まったように感じます。最近は投資に関する情報がテレビ番組で取り上げられることも増え、バブルなのかな?と思わせる雰囲気も出てきました。


しかし、いくらバブルが成長しようと、弾けようと、リスクを覚悟で投資を続けること、一般人がお金持ちになることができる唯一の方法だと考えています。しかし、マイナビニュースに興味深い記事が掲載されていました。
『リスクなし』で、『成功率ほぼ100%の資産運用術』だと言うんですから、非常に興味深いですよね。怪しげですが恐る恐る記事を開いてみたくなる気持ちはわかります。
記事にもありますが、「絶対に失敗したくないから、確実に上手くいく資産運用術を教えてくれ!」といった内容の質問は以前はよく聞かれました。そんな上手い話はないよと思いながら、話を聞いていたのですが、筆者曰く、100%確実な資産運用など存在しませんが、「ほぼ確実」な方法ならない訳でもないとのこと。
その方法とはズバリ、「節約」と「節税」です。
「・・・は?」

とちょっとお怒りの声も聞こえてきそうですが、よく考えてください。確かに節約や節税で浮いたお金をもとに投資をすれば、もともとは消費していたお金を原資に投資しているわけですから、仮に評価額がマイナスになったとしても、リスクはゼロだったと言えますよね。評価額がマイナスになったとしても、ゼロになるのは稀ですから、元々ゼロになる予定のお金が手元に残って、乱高下しているだけだと考えれば良いのです。
資産運用で絶対に損をしないと断言できるようなものは無く、基本的にはリスクがゼロの金融資産などはありません。株式投資も平均すると、米国株で6%前後のリターンが見込まれると言うことですが、コロナショックでもあったように、株価が半値付近まで暴落する可能性も否定できないのです。
一方、(制度さえしっかり理解していれば)節約と節税は成功率ほぼ100%で上手くいきます。しかも、株式投資と違って、元本をリスクにさらす必要もありません。リスクを取ってリターンを得るより、リスクを取らずに支出を減らすほうが簡単だし、即効性があります。ちょうど来週から、今年も確定申告の期間が始まります。還付申請だけであればすでに受付がされているでしょうから、終わらせたよ!と言う方も少なくないでしょう。
しかし、今年もコロナの影響で確定申告の期間が4月15日まで延長されることが発表されていますので、ぜひ確定申告をして、ご自身の支払った税金を今一度見直していただきたいと思います。
記事に書かれている節約術・節税術は以下の通り、
節約の基本
・その1:保険料の見直し
・その2:固定費の見直し
節税の基本・その1:生命保険料控除を活かした貯蓄
・その2:iDeCoを活かした貯蓄
保険料の見直しをしながら、貯蓄性のある生命保険への加入をオススメするのはちょっと理解できませんが、保険料や固定費の見直しが、最も節約効果のある方法だと言うのは、私も何度も主張している通りです。保険料・家賃・通信費・と言った費用を抑えることで特に意識をしなくてもお金が貯まりやすい家計に変えることができるでしょう。
また、貯蓄性の生命保険やiDeCoもうまく活用できれば、節税になるのは間違いではありません。どちらもうまく活用しなければ損をしてしまう可能性もあるため、十分に制度を理解して利用する必要があると思いますが、特に個人事業主の方であれば、iDeCoは掛けられるだけ掛けた方がお得だと言うのは私が言うまでもないだろうと思います。
他にも、すでに投資を始めている人で、配当金を受け取っていると言うような人であれば、個人の所得によりますが、配当金の課税方法を総合課税を選択することで、給与と同じ累進課税に切り替えることができるため、還付を受けることができる可能性があるのです。
主な所得が高い方がこの配当控除を受けると、配当金の税率が20.315%より高くなってしまい逆に損をしてしまう可能性があるため注意が必要ですが配当控除で得をするのは、課税総所得金額が900万円以下の方ですので、多くの日本人は、『特定口座源泉徴収あり』で受け取っている配当金を総合課税に切り替えることで還付を受けることができる可能性を秘めていると思います。
これらの節税テクニックは非常に基本的なものばかりですが、効果が高いと言えるでしょう。こうして節税したお金を投資に回せば、確かに『リスクなし』で『成功率ほぼ100%』の資産運用が可能かもしれません。だって元々は徴収されていた税金ですからね。
これらのテクニックで節約・節税したお金をもとに、さらに資産運用をしていくことで徐々にお金持ちを目指していって貰えればなと思います。これぐらいのことであれば、逆にお金持ちほど実践していると言えるでしょうから、お金持ちを見習って行動すべきだと私自身も思いました。