コロナの影響で実体経済がボロボロになる中、株式市場は好調さを見せ、S&P500指数も、日経平均株価は年が明けてからもなお、上昇を続けています。


コロナに振り回された2020年ですが、昨年は個人投資家の実に7割がプラスリターンを享受することができたということです。

情報サイト「やさしい株のはじめ方」を運営するライフパートナーズの調査によると、 「2020年の運用成績を教えてください」との問いに、67.4%の個人投資家がプラスで、21.5%がマイナスという結果となった。10.9%がプラス・マイナスゼロだった
その前年、2019年には、すでに株価は割高かもしれないという状況にあり、株価が調整するかもしれないと考えていましたが、思いも寄らない形で、昨年2月から3月にかけて大きく株価が調整することになりました。
2019年もまた、株式投資は素晴らしいリターンを与えてくれましたが、2020年は大きく調整したタイミングで買いに動いた個人投資家たちが凄まじいリターンを得る結果になりました。
同社は「投資手法にかかわらず、相場の急落をチャンスととらえて投資した場合ほど、良い運用成績を残すことができた」とみている。
また、コロナ禍においても業績が伸びそうな、巣ごもり需要の銘柄に投資をした人はさらに大きなリターンを得る結果になったということです。
逆に、この相場の中でも損をしてしまったという個人投資家が言うには、
「コロナショックで下がった株価が戻っていない」
「暴落で狼狽売り(株価が急落したときに動揺して売ること)してしまった」
「投資の勉強や銘柄の分析をせず、日々の変動だけを見て売買してしまった」
とのこと。コロナの影響で業績が悪化している銘柄に投資をしたり、株価が急落する中で、焦って底値付近で手放してしまったと言う人たちが大きく資産を削られることになってしまったと言うことです。
調査対象は個人投資家700名余りと言うことで、個人投資家全体の総数から見ればデータとしては母数が少ないように感じますが、結局、相場が急落したところで果敢にも買い増しをすることができた投資家たちが大きなリターンを享受することができたと言うのは今回も、そして今までの相場でも同様のことが起きたと言えるでしょう。
株式投資の基本は、やはり”安く買うこと”が大切です。この安く買うと言うのは人それぞれのものさしで違う結果になるでしょうが、成長性はあまりないものの、安定感のある銘柄を、相場の急落と同様に安くなったところで買い集めると言うパターンと、将来の成長性を見込んで、まだ将来性を織り込んでいない銘柄を安く買うパターンがあると思います。
どちらも、結局は”安く買う”と言うことに全力を注いでいる結果となり、特に短期的な売買を繰り返すタイプの投資を続ける人たちは、いかに安く買うかが重要とも言えるのではないでしょうか。
もちろん、長期投資家にとっても、安く買うことは重要な要素の一つであり、安く仕込めれば仕込めるほど、相場が急落しても、精神的にダメージを負うことが少なくなりますし、急落のたびに買い増しをすると言う行動を続けていれば、いずれ大きな資産を築き上げることができるだろうと思います。
これからの株式市場の動きがどうなるかは予想できませんが、いつ急落が訪れてもおかしくはない状況にあると思います。だからこそ、次の急落では余剰資金を投資していって、その後の上昇期に備えるというのが結局は報われるのではないかと私は思います。
母数が少ないとはいえ、個人投資家の7割弱がプラスのリターンを上げることができたと言うのは、素晴らしいことで、株価の急落をチャンスとみなした人が多かったと言うことです。多くの投資家たちが急落時にチャンスでその後上昇するだろうと見込んだからこそ、今の株高が実現しているとも言えますが、株価はそうして乱高下を繰り返しながら上昇していくものですから、急落時に安く買うと言うのが最も賢い買い方なのかなと私はそう感じました。
これからも長期的には米国株は”買い”だと思います。今の上昇にも浮かれすぎず、きちんと備えをしたうえで、淡々と持ち株を増やしていきたいと思いました。