とある掲示板に、今月下旬、「年収1400では足りない妻」というスレが立ちました。スレ主は34歳の男性で、妊娠中の妻(32歳)と子どもが1人いるということ。夫婦ともに医師で、夫が年収1,400万円、妻が800万円、世帯収入2,200万円という高収入夫妻のようです。

平均年収が400万円台と言われる今の時代、妻の収入だけでも十分すぎるような気がしますが、スレ主は妻が二人目を妊娠してから「子ども二人はお金がかかる」などと、収入が足りない不満をぶつけられているとのこと。そんな中で、スレ主が1~2年海外留学を希望。留学中は運が良ければ年収は300~400万程度に、悪ければほぼ無収入になるが、終了後は1400万円に戻るとのこと。それを妻に話したところ、「年収1,400万でも足りないのに、1~2年無収入に近いなんてあり得ない」と号泣され、金銭感覚の違いから離婚したいという相談内容だということです。
内容を見る限り、スレ主にもかなりの問題があり、妊娠中の妻と子供を放置して海外留学するべきなのか?ということや、妻が妊娠しているタイミングで離婚を切り出すのか?というところは、人間的に問題あるんじゃないの?と思いますが、それは一旦置いておいて、やはり妻の発言に対しての批判が殺到していました。
「慰謝料養育費でしぼりとられそう。まずは湯水のように金を使っても足りないバカ娘からバカ嫁になった根性を叩きのめしてやりましょう」
「嫁にする女性を選び間違えたって感じ。奥さん、800万もありゃ主から養育費一切貰わず1人でも子育てやっていける額だわ」
「結婚前に金銭感覚を確かめておけばよかったね。留学も結婚前に行けばよかったのに」
妻の実家も開業医をしているようで、”3000万のベンツと2000万のポルシェを持っているくらいの金持ち”だということで根本的に金銭感覚が違うのかもしれません。
しかし、もしかしたら自分の子供達にも医学部を目指して欲しいという願望があるのであれば、確かにかなりのお金がかかってしまうことは否定できません。
幼稚園から高校までの15年間の学習費総額の平均は、すべて公立の場合は541万円だが、すべて私立の場合は1,830万円となるとのこと。そこに大学で医学部を専攻するとなれば、1,000万円単位で追加費用がかかります。もし二人とも幼稚園から私立で医学部を卒業させるとなれば、教育費だけで二人合わせて6,000万円程度かかってしまうことになります。
もちろん、公立に進学させればもう少し費用を抑えることができますが、医学部というだけでかなりの費用負担があるのは仕方ないことでしょう。妻からすれば父親も夫も医者ですから、子供を医学部に進学させるのは当然という思考回路があるのかもしれません。金銭感覚の狂いは否定できませんが、そうなれば、妻の言い分も少しは理解できるかもしれません。
夫婦にとって、最も厄介なのが、”金銭感覚の違い”です。こればかりは、いくら話し合っても平行線となる可能性が高いです。なぜなら、結婚するまでに育ってきた環境によって金銭感覚というのは形作られてしまうからです。
この場合は、金銭感覚以外のところでお互いに価値観がずれているというところもありますが、やはり根本的には金銭感覚のズレが夫婦関係を拗らせてしまっていると言えるでしょう。
ご実家がお金持ちなばかりに、世帯年収が2,000万円でも足りないと主張する妻の場合は、おそらくいくらあっても満足することはないでしょう。お金があればあるだけ使うという生活をしている人たちは、本当に際限がありません。いくらでもあるだけ使うので、それが当然という形になってしまうのです。収入が上がれば上がるほど、生活水準が贅沢になるというだけで、満たされることはないのです。
だからこそ、返信の中でもありましたが、事前に金銭感覚を擦り合わせてから結婚に至るというのがベストなのですが、すでに結婚をしてしまっている状態であればそれも叶いません。子供が生まれて、少し落ち着いた頃に、改めて夫婦で話し合うのが良いのではないかと思います。
家族間での金銭トラブルの原因は、大抵の場合、『話し合いの欠如』にあると思います。普段からお金について話し合うことができる環境づくりも大切だと思いますし、何より結婚前のお付き合いしている段階からお金について話し合うことは将来に向けても必要不可欠なことだと考えています。
お金について共有しておらず、任せきりにしてしまった結果、急死してしまい、大慌てするというケースもあるのです。

高収入を稼ぐ・費用を節約する・投資でお金を増やす。いずれもお金持ちになるには大切な要素ですが、ご夫婦で、ご家族で、足並みを揃えないと上手くいくものもなかなか上手くいきません。だからこそ、普段から定期的にお金について家族と話し合う。しっかり時間を取るというのではなくても、毎月ほんの数分〜数十分程度でもいいので、そういう機会を定期的に取るのがとても大切なことかなと私はそう思いました。