民主党のジョー・バイデン氏が20日、米大統領に正式に就任しました。米国株市場はバイデン氏の就任をお祝いするかのように、主要3指数は共に最高値を更新しました。



決算期待から主力ハイテク株が大幅高となり、相場上昇をけん引した。バイデン氏が米大統領に就任し、大型の経済対策の成立や新型コロナウイルスのワクチン普及が進むとの観測も買いを誘った形となります。

特に、最近おとなしかった『GAFAM』や『FANG』と呼ばれる銘柄が大きく上昇し、動画配信のネットフリックス(NFLX)は、前日に発表した四半期決算で契約者数が市場予想以上に増えて、この日は16.85%のプラスと急騰しました。

また、ネットフリックスの影響か、来週以降に決算発表を控える主力ハイテク株にも買いが波及し、検索サイトのアルファベット(GOOGL)とネット通販のアマゾン・ドット・コム(AMZN)が5%上げた。ソフトウエアのマイクロソフト(MSFT)とスマートフォンのアップル(AAPL)も大幅高。決算内容が市場予想を上回り、株価が跳ね上がるのを見越した買いが入ったということです。
一方で、バイデン氏の”国策”として好調だったクリーンエネルギー関連株などは一旦、微調整をしました。しかし、早速バイデン大統領はパリ協定に復帰するなど積極的に動いていることから、まだ上昇の余地はあるかもしれませんね。

さて、バイデン氏の就任式も大きな混乱もなく終わったということで、安定した政治体制が築かれるだろうという安心感が株式市場に取り巻いていますが、今後の4年間の米国株市場はどうなるでしょうか。
まあ、こんな予想は外れることが多いので期待できませんが、個人的にはコロナワクチンの供給が安定して落ち着きを見せそうだなと感じた頃に米国株は一旦の調整を迎えるのではないかと思います。決算期待で株価が上昇しているとは言え、現状ではコロナの影響で決算期待のハードルが下がっているのは言うまでもありません。決して成長性が回復しているわけではないのです。
そんな状況ですから、バリュエーションは依然として高く、調整があってもおかしくないと思いながら取引をするのが妥当だと思います。
ただ、10年、20年と言う長期的なスパンで見ればもちろん株価は上昇していくだろうと思います。トランプ氏が大統領に決まった時も、米国株市場には一時的に混乱が生じましたが、振り返ってみれば、トランプ政権下では素晴らしいリターンを得ることができました。
バイデン氏が、良くも悪くも、安定的な政権を維持してくれるのであれば、アフターコロナの時代では今まで通りの成長を見せてくれる企業が増えることでしょう。むしろ、米国株にとってマイナスなことが起きた方が、株を買うには絶好のチャンスだと言えるのですが、なかなかそんなことも起こりづらくなってしまうかもしれませんね。
何はともあれ、我々には、強い米国がこれからも続くことを祈ることしかできません。バイデン政権下において、中国が今まで以上に好き勝手しないかどうかと言う点だけは心配ですが、中国も最早、今までみたいに急成長するだけの伸び代はないのかなと感じます。
バイデン政権の間に覇権を奪われると言うようなことがなければ良いのですが・・・今後のバイデン氏の政治手腕に期待をしたいと思います。
バイデン大統領、就任おめでとうございます。