経団連は19日、2021年春闘で経営側の指針となる「経営労働政策特別委員会(経労委)報告」を発表しました。
厳しい経営環境の下、雇用を守ることが大前提だと強調し、業種横並びや各社一律の賃金引き上げは「現実的ではない」と指摘。業績が振るわない企業は、基本給を底上げするベースアップ(ベア)は「困難」とした。
また、春闘の闘争方針で目標とはいえ2%程度のベアを掲げていることについて同報告では「事業継続と雇用維持に向けて賢明に努力している多くの企業において、経営側はもとより、当該企業の労働組合からも共感や理解が得られにくいことが懸念される」と指摘し、例年通りの賃上げ要求は到底受け入れられないとの認識を盛り込んだということです。
まあ、現実の経済状況は、日を追うごとに悪化しており、コロナの影響によって倒産する企業もついに900件に到達したということだ。

都心部では緊急事態宣言の煽りを受けて、ランチ営業すらも諦めて完全に閉店している飲食店も数多く見られます。株価がなぜこれほど調子が良いのか?と疑問に思うほど、経済情勢は良くないと言えるでしょう。
私が勤める会社でも、コロナの影響は決して小さくなく、業績にはかなりのダメージが見込まれています。12月までの決算では少しは回復していたのですが、今月に入って、再度緊急事態宣言が発令されたことによる影響は決してゼロとは言えないだろうと思います。
それでも黒字経営を続けているので、給与改定では少しはプラスになる予定だということですが、例年ほどのベースアップは期待できないでしょう。
経団連が言うまでもなく、来期のベースアップは厳しいところでしょう。残業時間も削られ、手当ても削られているのに、テレワークで光熱費は自己負担になってしまっていると言う人も多いのではないでしょうか。
何が言いたいかというと、どれだけ頑張ってもしばらくの間、給与の上昇は見込めないだろうと言うことです。税金や社会保険料はこれからも負担が増えていくでしょうが、給与の上昇は見込めませんから、これまで同様、徐々に緩やかに首を絞められるように手取り収入が減っていくのです。
昨年11月に発表された「民間給与実態統計調査」を見ると、給与がどれほど上昇しづらいかということがわかるかと思います。

給与が上がらないことなんて、私がわざわざ主張しなくても、誰しもが理解していることです。給与は最低限、文化的な生活を送ることができる程度の上昇しかしないことになっています。
いつまで経ってもまともな資産が形成できないなと感じているあなたは正しいのです。だって、労働者に与えられる給与はそもそも資産を形成するような余裕のある金額が支給されるわけではないからです。
そんな給与の上昇も期待できない今の時代、少しでも早く資産形成に力を入れていくことを私はオススメしたいと思います。そもそも生きていくにもギリギリの給与しか貰えないんだ!と言う声も聞こえてきそうですが、それでも毎月少しずつ貯金ができる人もいる訳ですから、貯金することができないと言うのは、ただの言い訳です。ご自身の収支を改めて見直して、まずは貯金を作ることから始めてください。

そして、ある程度貯金を習慣化できるようになれば、貯金しているだけでなく、余剰資金を投資に回すことが、将来への備えとしては有効だと思います。給与が上がらないと言う状態がこれからも続くと見込むなら、将来への備えは必要不可欠だと思います。
今の時代、魅力的な投資信託も多くなり、『eMAXIS Slim』シリーズの投資信託などは、投信ブロガーが選ぶ素晴らしい投資信託にたくさん選ばれていることからもわかるように、低コストで世界中に投資をすることができたり、成長性のある国への投資ができるのです。

我々の親世代にとっては、投資信託なんて、銀行が稼ぐための金融商品というイメージが強かったでしょうが、今や本当に長期的な資産形成が可能な優良なモノもたくさんあると言えるでしょう。
給与の上昇や、昇進によって高収入を得てお金を稼ぐと言う時代は平成はおろか、昭和時代にすでに終わっているのです。これからの時代、資産形成を通じて、将来への備えをすることは必要不可欠だと私は思います。