今月14日、アマゾン・ドット・コム(AMZN)の創業者、ジェフ・ベゾス氏が率いる宇宙開発企業『ブルー・オリジン』が、新型宇宙船「ニュー・シェパード」ロケットNS-14の無人打ち上げ試験に成功しました。

先端部分は6人が搭乗できる新型宇宙船で、実際に人が乗った状態を想定してマネキンを搭載したほか、今回は気温や通信環境を整えた状態での初の試験飛行となりました。 ロケットと宇宙船は無事に切り離され、再利用可能なロケットは予定された地点に正確に着陸。宇宙船も高度100キロあまりの宇宙空間に到達したあと、パラシュートを使って降下し、地球に無事帰還しました。
無人打ち上げの成功により、有人宇宙飛行に向け、大きく前進したということです。
昨年12月に、イーロン・マスク氏が率いる宇宙開発企業『スペースX』の宇宙船「スターシップ」の試作機が無人打ち上げに成功しました。しかし、帰還時の着陸に失敗して爆発炎上する結果に終わっています。

今回は、無人打ち上げの成功とともに、着陸まで成功したということで、『完全な成功』とされており、『ブルー・オリジン』は続けて、年内にも有人飛行を計画していると言うことです。
世界1位と2位の大富豪である、ジェフ・ベゾス氏とイーロン・マスク氏は両者ともに宇宙開発に大金を投じており、数年前までは本当に『金持ちの道楽』扱いだった事業ではあるものの、着実に成果を挙げているのである。
イーロン・マスク氏に至っては、現在絶好調のテスラ(TSLA)すらも、数年前までは売れないガラクタを作っているだけだと馬鹿にされていたものですが、やっと時代が追いついてきたのか、都内ではテスラの車を見かける機会も増えてきました。
テスラやEV車の未来がどうなるかは私はわかりませんが、ベゾス氏・マスク氏の両者ともに着手している宇宙開発事業は、私もとても注目している分野です。近年の投資テーマの大枠は『インターネット・IT産業』ですが、これらの分野が成長を遂げた後には、『宇宙開発』が一大テーマとして取り上げられるだろうと考えています。
それはなぜかと言いますと、ハッキリ言って、地球のキャパシティが近い将来限界を迎えるだろうと考えられているからです。日本は少子化が社会問題となっていますが、世界的に見れば人口は右肩上がりに増え続けています。
イギリスの権威ある医学誌「ランセット」に昨年掲載された、米ワシントン大の研究者らの研究論文によると、世界の人口は2100年に88億人に達すると言われています。しかし、国連の予想では、2100年には100億人に達するとも言われており、どちらが正しいかは、2100年になってみないとわからないのです。
ところが、地球の生産能力では、食糧を過不足なく行き渡らせたとしても、100億人前後の人口を養うのが精一杯だそうです。過不足無く行き渡らせた場合で100億人ですから、日本をはじめとした先進国が食料をロスしている限り、とてもじゃないが100億人もの人々が生活することはできません。
そこで期待されているのが、”火星への移住”、および宇宙開発事業です。今世紀中に、有人飛行が成功し火星まで到達することは、人類にとっては必要不可欠だと言えるでしょう。
有人飛行が成功したからと言って、実際に人類が火星に移住できるフェーズには、かなりの時間を要するでしょうが、もしかしたら我々の子供世代が存命中には、地球と火星は自由に行き来することができる時代がきているかもしれませんね。
その宇宙開発事業で現在リードしているのが、ベゾス氏の『ブルー・オリジン』とマスク氏の『スペースX』です。アマゾン・ドット・コムやテスラよりも、むしろこれらの企業にこそ、私は投資をしたいと考えています。
まあ、宇宙開発事業がいつ頃実績を伴うようになるかはまだ分かりませんが、投資先としては魅力的ではないかと思います。今後はこれらの企業にも投資できるようになれば、積極的に投資していきたいと思います。