突然ですが、私Yukiの姉夫婦は、それほどお金に関して興味がないというか、金融商品に対して勉強意欲がある方ではありません。投資をしていないのはもちろん、貯金もそれほどないみたいで、姉が結構やりくりを頑張っているようです。
姉の夫の稼ぎも、正直言ってそれほど良くはなく、姉夫婦が共働きをしていた時でも、私の年収と同じくらいか少し少ないぐらいでした。今は姉が下の子を出産し、育児に全力を注いでいるので、夫の収入だけで生活しているため、以前よりも厳しい家計状況であるようです。
そんな姉が先日、今年出産した下の子のために、お金を用意しておこうと思い、学資保険に加入しようとしたようです。毎月ギリギリの生活をしながら、保険に加入するというのは、さらに家計を圧迫する可能性がありますが、それでもまあ、子供がいる一般家庭が取りうる戦略としては妥当なことだと思います。もちろん、彼ら夫婦はつみたてNISAもジュニアNISAもやってないですが、保守的な一般的な家庭であればこのような選択肢を取ることが多いと言えるでしょう。
そんなわけで、たまたま別件で地元の郵便局員へ足を運んだ時に、学資保険について相談をしたそうです。いわゆる、かんぽ生命の『はじめのかんぽ』という商品ですね。
加入者、被保険者(こども)の加入可能な年齢が幅広く、65歳まで加入可能で、親だけでなく祖父母が孫のために加入を検討するというニーズにもきちんと応えてくれる上に、出生140日前、おおよそ妊娠6ヶ月の頃から加入できる点も人気の学資保険の一つです。
ただし、毎月の保険料が1万円は下らず、それでいて返戻率も90%程度〜と、元本割れしてしまう可能性も高いため、結構な地雷商品ではあります。郵便局員の人件費を捻出するためには、このような金融商品も何食わぬ顔で販売しておかなければ成り立たないのでしょう。
かんぽ生命の営業方法などが社会問題となったのは皆さんもご存知の通り。私の姉も当然それは知っていました。それでいてかんぽ生命に相談に行ったのは何故なのか、理解はできませんが、彼らには彼らなりの考えがあるのでしょう。
しかし、ここで地元の郵便局員さんのファインプレーが光ります。
相談に行った時に対応してくださった郵便局員さんから、以下のようなアドバイスをいただいたようです。
「私たち郵便局員が言うのもなんですが・・・今このタイミングで、郵便局で学資保険に加入するのはオススメできません。かんぽ生命は、他の民間の商品と比べてもそれほど良いものではないですし、色々と問題もありましたしね。以前は確かに、学資保険で少しでもプラスになって返戻金を受け取ることができる時代があったのですが・・・今後はマイナスになる可能性の方が高いです」
この話を聞いて、私は郵便局を誤解していたのかもしれないと感じました。確かにかんぽ生命はかつて、顧客の不利益となる商品を積極的に販売するというスタイルを通していました。昨年大きな問題となったときに、保険料を二重に徴収するなど顧客に不利益となった恐れのある契約が、過去5年で約18万3千件になることが判明したことなどもありました。最終的には何件になったのか、もううろ覚えです。
しかしそれでも、そんな顧客に不利益を与えるような商品を販売しようとするのは、一部の局員だけなのかもしれない。ほとんどの郵便局員さんは、顧客目線で対応してくださっているのかもしれないと思い直すようにしました。
まあ、普通に考えれば、不利益となる契約が出てきたとしても、全国で数十万件程度ということですので、それは本当に一部の話であり、全体でみるとまともな営業をしている人の方が圧倒的に多いのは当たり前なのです。
私の姉夫婦を担当してくださった郵便局員さんは、ファイナンシャルプランナーさんだったのか、それとも普通の局員さんだったのかはわかりませんが、当然多くの従業員の方々は、真面目に働いているわけです。FPにしても、本当に顧客の目線に立って、その家庭ではどういった金融商品をどれくらい活用するのが幸せかと言うことを考えてくれている人が大半です。
一部の不正者のおかげで、ずいぶん悪い印象を持たれてしまったかんぽ生命と郵便局の保険窓口ですが、私の地元には、まだまともな郵便局員が確かに存在するのだと言うことを知れたので、それだけでもとても嬉しい帰省となりました。
その郵便局員さんの思いに応えるため、姉夫婦はかんぽ生命での学資保険加入は止めておいたみたいです。
と言うより、まずは私に相談してくれればよかったのに。具体的な収入などを知られるのがイヤなんですかね。まあ、彼らがどのような選択肢に落ち着くかはわかりませんが、郵便局員さんのファインプレーで、無駄なお金を使ってしまうことを防げたことだけでも良かったなと感じた次第です。