FNNの報道によると、中国の市民記者・張展さん(37)は、新型コロナウイルスの流行が深刻化していた武漢を取材し、その情報をインターネットで発信したことで、「公衆に悪影響を及ぼした」とされ、懲役4年という判決が下されたということです。
上海で今月28日に彼女の初公判が行われ、即日で判決を言い渡すというスピード感で、裁判とはなんなのか?と思わせました。初めから刑も確定していたのでしょうかね。
中国では、新型コロナウイルスの発祥の国でありながら、早い段階で終息を宣言し、我関せずという立場を決めています。コロナウイルスなんていう、”架空の”ウイルスによる被害を報道して社会を混乱させたということが『罪』になるというのですから、たまったものではありません。
中国では言論の自由がないと言われていますが、我々日本人が思っている以上に、中国の言論統制というのは厳しいようです。もしかしたら、報道の中に人々の誤解を招くような表現があったかもしれないですが、それでもそれだけで懲役4年となるほどの重罪扱いされるのは、およそ法治国家とは言えないのではないでしょうか。
しかも、中国では罪を犯せば、2度と社会にまともに復帰することはできません。中国では国家が国民に『スコア』を付与し、その数値によって様々な規制をかけているのである。スコアが悪ければ就職や進学に不利になったり、2度と国外に出ることを許されないというケースもあります。
もちろん、元・犯罪者であれば、それだけスコアは悪化し、彼女がもしも犯罪者として裁かれ、契機を終えたとしても、まともに暮らすのは厳しくなるでしょう。
スコア管理はメリットもあるのでしょうが、そもそもこのスコアの基準が『中国共産党に従順か否か』で採点されているため、非常にご都合主義なのである。特に、中国共産党の思惑に反して社会を混乱させた彼女の罪は重く、刑期を追えても許されない可能性は高いでしょう。
とは言え、無事に刑期を終えることができればまだ幸運かもしれません。彼女が獄中で”謎の病死”を遂げないことを祈るばかりです。というか、何の罪もないジャーナリストをこのまま放置して良いのかという話ではありますが・・・
本当に、中国共産党の暴虐ぶりは我々の想像を超えているのかもしれません。私も投資をしており、よく損失を確定させられているアリババグループの創業者、馬雲(ジャック・マー)氏も、口を滑らせて、中国共産党に批判的な発言をしたばかりに、今現在、非常に手痛いしっぺ返しをくらっています。アリババ傘下の企業のIPOを潰されたり、アリババグループ自体に突然『独占禁止法』を唱え始めたりと、今までとはうって変わったような厳しい取立てをされています。


中国という独裁国家の恐ろしさを垣間見た気がします。どれだけ経済成長を遂げても、政治体制はいまだに建国当初から変わらず、およそ法治国家とは呼べない状況となっています。
もしも、中国がこれほどまでに経済成長を遂げなければ、投資なんて一切しないのですが・・・これほどまでの絶大なワンマン経営ができる中国だからこそ、これからも成長してしまうんだろうなと思ってしまうわけです。世界一の人口を誇る中国の成長を止めることは、残念ながらできなそうです。
アリババへ投資しているのも、ジャック・マー氏への追及は強まれど、アリババを潰してしまうことはないだろうと考えているからです。中国共産党にとって、アリババは必要不可欠な企業です。
もしかしたら、もう共産党による確固たる体制が整ったために、アリババの影響力を薄めようと今のようなアリババ叩き行動に出ているのかもしれませんが・・・
私が思うに、アリババグループの今後の成長性は大きく毀損される可能性がありますが、現在の価値は損わないだろうと考えています。今のアリババグループの株価は、今後成長率が下がったとしても、異常なほどの割高感があるとは言えないかもしれないと感じています。

将来、どうなるかはハッキリ分かりませんが、中国共産党に多大な貢献をしているアリババという巨大企業にしては評価が低いのかなと感じています。もう少し下がれば、また追加投資したいかなとも感じます。
とは言え、すでにアリババには2度、損失を確定させられており、今も少額ながら含み損を抱えているので、アリババとの相性はあまり良くないのかもしれないですけどね。
米国株と同じように考えていては、かなり手痛いダメージを喰らう可能性がありますが、それでもアリババはそろそろ買い場と言っても過言ではないのではと思います。もちろん、投資は自己責任ですが。
今回のような事件を見ると、本当に中国という国が我々の理解の範疇を超えており、何が起きるか分からないということは頭に留めておいて良いだろうと思います。