読売新聞の報道によると、日本電産の関潤社長は今月22日、2023年までに従業員の年収を平均3割増やす方針を明らかにしたとのことだ。

世界的にEV自動車の台頭が進み、EV自動車用のモーターを中心に需要の増加が見込めることから、年収をアップさせて優秀な人材を確保しようという方針のようです。
デジタル化の促進によって、業務効率が上がる分、年収を上げていきたいという考えのようで、現在の日本電産の平均年収は約620万円となるので、3割増えると、単純計算で800万円程度に引き上げられることになる見込みだということです。
日本電産といえば、日本国内では有数の大企業の一つです。日本を代表する企業の平均年収が600万円台から800万円程度にアップするということでニュースになるのは少し悲しい気がしますね。
日本は世界第3位の経済大国ですが、1位の米国や2位の中国と比べて、格差が少ない社会だと言われています。『一億総貧困』とも言われる今の日本社会で問題なのは、やはり国民全体の年収の低さが問題だと言えるでしょう。同じような仕事をしていても、中国なら1,000万円超えは確実というような仕事内容でも、日本では半分にも満たない年収で働かされているというケースも少なくないです。
米国や中国だけでなく、第4位のドイツやその他の欧米各国にも年収では日本はぼろ負けしており、『日本企業が海外のエンジニアに年収800万円という破格のオファーを提示したところ、「仕事内容は了承したが、そちらのミスで年収蘭の数字の『0』が1ケタ抜けているよ」と返信がきた』というような笑えない笑い話もあるほどです。
日本人の年収がこれほどまでに低い水準で止まってしまっているのは、ひとえに、生産性の悪い従業員も養う必要があるからなのです。『働かないおじさん』を筆頭に、仕事をしていないけど高収入なおじさんが社内にいるだけで、企業の人件費を圧迫してしまい、結果として全体の平均年収が低止まりしてしまっているのです。
コロナの影響で業績が悪化しても、サラリーマンには決まった給与を支払い続けなければならないですから、簡単にクビを切ることができない日本の労働者制度は働かない人々にとっては極楽というより他ないでしょう。
海外と同じように、従業員を解雇することが容易になれば、日本の年収も高くなり、成果が結果に結びつくようになるため、社員の生産性も高まる可能性があります。ただし、今よりも失業率が高くなり、今まで働かなかったゴミ社員は消え失せ、格差は今以上に拡大してしまうことでしょう。
『一億総貧困』と言われている日本でも、徐々に格差が広まっているのはデータから見てもよくわかります。

富裕層以上の保有する資産は加速度的に増加し、逆に人口の8割ほどが属するマス層の庶民たちの資産は少しずつ削られている。これは資本主義社会においては仕方のないことであり、お金持ちがどれだけ支援や寄付をしようとも、貧民はそのお金を食い潰してしまうだけですから、一向に格差社会はなくならないのです。
ただ、日本は社会主義的な一面もあり、労働者が守られている国ですから、低収入も甘んじて受け入れざるを得ないでしょう。『クビになるリスクが少ない代わりに、低収入』か、『労働の対価として高収入を得られる可能性がある反面、使えなければ低収入かつ、いつ収入源が絶たれるとも分からない』かの二択です。まるで、『貯金』と『投資』の違いみたいですね。
日本の労働環境は、収入を失うリスクは少ない代わりに、低収入でまとまってしまっているのです。例えるなら、銀行の利息のようなものです。
海外では、高収入を得る可能性がある反面、現在のような非常事態に陥れば、明日から収入ゼロなんてことも実際にあり得るのです。投資のようにリスクとリターンがはっきりしていますよね。
日本電産のような一流企業ですら、年収が3割アップしても800万円程度。その現実を考えれば、とても貯金をしているだけでは満足のいく資産を築くことはできないですよね。日本企業で働いて貯金しかしていないとか…それって、何のリスクも負っていないことと同義ですからね。
リスクを負わない人に大きなリターンを得ることは不可能です。何のリスクも負わず、大した努力もせず、自分たちはこんなに貧乏なんだ!と主張されても、それは仕方ないんじゃないの?と言わざるを得ない人がほとんどなんじゃないでしょうか。
もう一度言います。日本を代表する企業でも、平均年収は1,000万円を超えないんです。親世代から言われてきたように、サラリーマンとして定年まで勤め上げて、退職金と年金で優雅に余生を過ごせるなんて思っている人は今の日本には、ほとんどいないでしょう。
低賃金、低成長、低リスク、低リターンの日本で豊かになるには、成長性の高い海外に投資をするしかないと思いませんか?
私はそう感じているので、10年前から行動を起こしています。20歳の学生にもできたことですから、きっと画面の前のあなたにもできるはずです。行動し続ける人にこそ、結果が伴うのではないかと私は思います。