トヨタ自動車グループの314労働組合でつくる全トヨタ労働組合連合会(組合員数約35万7千人)は18日、2021年春闘の要求方針案を固めたとのことだ。

基本給を底上げするベースアップ(ベア)について、要求の目安額の提示をやめ、ベアを要求しない労組が出ることも容認する方針だということです。
トヨタの賃金はすでに高水準にあることから、働き方改革などに交渉の軸足を移し、経営側から最大限の回答を引き出す狙いもありそうだと見られます。
トヨタは昨年の春闘で、7年ぶりにベアの実施を見送りましたので、今年の春闘で労組側が要求を見送れば、2年連続で「ベアゼロ」となる公算が大きいとのことです。
このように日本を代表する企業であるトヨタでさえ厳しい状況にあるとのことですが、ネット上では、「それでも交渉の余地があるだけマシ」「そもそもウチには労働組合なんてない」と言った声が続出。ベアがゼロだとしても、定期昇給によって収入が上がるだろうと見られるトヨタは、今の状況をどうやって乗り越えようかと必死な中小企業の社員から見れば、かなりの優遇を受けているように感じるでしょう。
トヨタは下請けでも年間賞与が5ヶ月分近く支給されるなど、やはりかなり優遇されている立場だとは思います。しかし、それでもそんなトヨタ自動車でも今の時代は先行き不透明。終身雇用が幻想だと発表したのは今でも記憶に新しいのではないでしょうか。

実際、日本ではまだまだ労働者の立場は守られている方だと思いますが、それでも景気が悪化すれば、企業の規模問わず収入が増えない、それどころか激減してしまう可能性があるのは事実です。
『不景気な時こそ大企業はもうちょっと頑張って欲しい』などという声もありますが、大企業ほど少額でも人件費を上げると負担するコストが莫大なのですから、労働者側の身勝手な発言だということがよくわかるのではないでしょうか。
『資本主義国』の米国では、労働者に対してはもっとシビアで、トヨタよりも大規模な企業でもガンガンリストラして企業が生き残ることを選択します。会社は株主のものですから、株主が会社を存続させることを望むなら、そのための施策を非道にも執行していくのが資本主義的な考えなのです。
つまり、我々日本人は中途半端ながら企業に守られてしまっているからぬるま湯であることに気づけないだけで、労働者の立場なんて、本来はいつクビを切られてもおかしくないのです。明日から突然収入がゼロになっても、文句は言えません。
だからこそ、我々はいつまでも労働収入だけに拘っていてはならないのです。別に全員がセミリタイアを目指せというのではありません。しかし、副業でサラリーマンとしての収入以外の収入を得たり、金融資産を築いたりして複数の収入源を確保することがいかに重要かということがお分かりいただけるのではないでしょうか。
トヨタでさえも収入アップは難しいという今の経済状況ですが、株に投資をしている人や、仮想通貨に投機をしている人たちが資産額を大幅に上昇させているのは経済ニュースを見ていれば明らかでしょう。NYダウは3万ドル、ビットコインは2万ドルを超えたとニュースでは大々的に取り上げられています。
収入の増加が見込めないから投機に手を出すというのは素人にはかなり危険なことだと思いますが、それでも何もしてこなかった人よりはリスクを取って、リターンを得ているのもまた事実です。株式投資については言わずもがな、NYダウは過去200年超の歴史において今が一番の株高なのです。
今から市場に参加して、既に参加している方々と同じリターンを得られるかどうかは分かりませんが、それでもただボーッと見守っているだけで、銀行口座でお金を眠らせている人よりは資産を増やしていくことができる可能性はあると言えるでしょう。リスクの取り過ぎは危険ですが、適切な範囲でリスクを取ることを覚えなければ、いつまで経っても、ただの労働者で大した資産を築くことは困難でしょう。
あなたの勤める会社が、どんな状況においても、ベアを保証してくれて、終身雇用も、一生安泰なほどの退職金も、保証してくれるというのであれば、労働収入一本に頼りきってもいいのかもしれませんが、そんな人はおそらく我々の世代では特に皆無と言えるのではないでしょうか。
私はこれからも今まで同様、労働収入の一部を資産に投じて、資産形成をしていくつもりです。あなたはどうやって資産を築いていくおつもりですか?改めて考えてみてはいかがでしょうか。