ビザ・ワールドワイド・ジャパン(Visa)は今月17日、2020年に日本で大きく伸びた「Visaのタッチ決済」の利用状況などについて説明会を開催し、日本におけるVisaタッチ決済(クレジットカードのNFC非接触決済)は前年比約15倍以上となり、コンビニの約70%で利用可能になるなど、徐々に普及していることを明らかにしました。

タッチ決済が利用できるシーンは徐々に増加しており、コンビニだけでなく、スーパーマーケットなどでもタッチ決済のマークも見かけることが多くなってきました。今年は特に新型コロナウイルスの感染拡大により、世界中で買い物のオンラインシフトや衛生面での関心の高まりが見られ、「非接触」という衛生面での利点から、リアル店舗においてはタッチ決済が増加し、全世界でのVisaの対面決済におけるタッチ決済比率は43%となったとのこと。クレジットカードを手渡しすると言うよりも、タッチ決済の方が主流になりつつあることがわかります。
比較的現金決済が多い日本でもこのような状況ですから、海外ではもっと普及が進んでいるようで、オーストラリアやシンガポール、ニュージーランド、ロシア、ハンガリー、スペインなどでは普及率が90%を超えているようだ。
日本はそれらの国に対して遅れていたが、2020年は前述のコロナの影響もあり、カードの発行枚数・利用件数ともに大幅に増加した形となります。
ビザ(V)の株価も先週後半には回復し始め、再び史上最高値の更新にむけて上昇を始めたようにも見えます。

成長株として有望だったビザは、私が投資を始めた頃はそこまで注目されていませんでしたが、3年ほど前から『安定的な成長株』として注目をされるようになってきました。一時期はマスターカード(MA)、ペイパル(PYPL)などとともに『MVP』と呼ばれるほど注目を浴びていたビザですが、コロナの影響で経済が停滞すると、影響が大きいと見られたのか、突如誰も騒がなくなりました。
確かに今のビザの株価は割高傾向にあり、右肩上がり一辺倒だった過去と比べれば投資冥利は薄いかもしれません。

しかしそれでも、今年一年間を振り返れば、注目をされていなかったにもかかわらず、今のところ年初来で10%程度の上昇となっています。

配当利回りは低いものの、増配率は高く、そして配当性向もまだまだ余裕があることから、これからもしばらくは成長性を伴って大幅な増配を見込むことができるでしょう。
たしかに今年1年でド派手な動きを見せた小型株ほどの魅力はないかもしれませんが、ビザには既にまごうことなき実績があります。これからもビザの決済網は大きく広がり、アフターコロナでも確実に収益を上げていくことができる企業だと確信しています。
決済方法として、従来のクレジットカードを淘汰して台頭してくると考えられていた仮想通貨は、今のところただの投機商品としての価値しかなく、1日で10%以上の乱高下を見せるビットコインは、カネ余りの現在、投棄対象として優秀なのは認めますが、決済方法として使いやすいものなのかと言われると、微妙なところではないでしょうか。
つまりこれからもしばらくは、仮想通貨が決済シーンや送金手段としてメインを張るのは難しいと考えられます。そして仮想通貨を一大ブームにまで仕立て上げた『ブロックチェーン』の技術というのは、従来のクレジット会社だったビザの技術も格段に向上させ、デジタル通貨の新たな可能性をビザ自身が研究開発するまでに至っています。
ビザが既に保有している決済ネットワークでデジタル通貨を完成させれば、世界中の決済・送金などのプラットフォームもビザがシェアを持つことになるかもしれません。
今のところ、ビザの成長は着実に進んでおり、アフターコロナでも関係なく株価が上昇していくだろうと見られます。普段使いから小規模店舗まで様々なシーンで活用されればされるほど、ビザの株主にとってはプラスにしかなり得ません。
何より、ビザの決済フォームは普段から私自身も活用しています。生活のほとんどの支払いにビザのプラットフォームが関わっていると言えるのではないでしょうか。
しかし、ビザの株主である私には、自分が利用したビザの利用料の分も還元される権利があるのです。私の投資額から計算したビザの配当利回りはおよそ4%程度ですから、クレジットカード決済のポイント還元なんかよりもよっぽど大きいですし、年初来だけでも株価は10%上昇しているのですから上出来です。
10年前から投資を続けてきたビザですが、ずっと話題になっていなかったからこそ株価が成長してきたのだとも思います。誰も話題にしない中でも着実にシェアを伸ばし、着実に成長し、着実に株主に還元してくれる超優良企業、それこそがビザの真骨頂なのです。