報道によると、NTTドコモは、今の料金プランのうち新しい通信規格5Gを使える大容量の料金プランを1,000円値下げする方向で最終的な調整に入ったということです。今日18日にも発表する予定で、より利用者の多いデータ容量が少ないプランの値下げについても引き続き検討しているとのことでした。
ドコモは先日、割安プランの『ahamo』を発表した際に既存の料金プランについても月内に見直す意向を示していたのですが、本当に月内の半ば頃に発表してくるとは思いませんでした。
現在の5Gプランは、データ容量が100GBで7,650円。かなり割高ではあるものの、これを1,000円程度引き下げることで、競合他社のKDDIやソフトバンクと比べて2,000円程度安くなる見通しだ。さらに続けて、4Gのプランについても値下げを実施する見通しで、ドコモの攻勢は止まるところを知りません。
「やればできるじゃん!docomo!」という気持ちでいっぱいです。なぜ今までやれなかったのでしょうか。やはり、ドコモの『半国営化』は非常に大きかったのだろうと思います。NTTはもともとは電電公社という官営の独占企業だったのですが、民間企業にも競争力をつけるために、民営化しました。しかし、KDDIやソフトバンクと言った民間企業に押され続けていたドコモの現状を鑑みて、再び、半ば官営のような形に戻したということになります。
国の意向で通信料を安くしたいとなれば、元は電電公社としての設備の充実度は他社と比べても圧倒的です。NTTは全国の光ファイバー網の75%を握っているほか、ほぼすべての市区町村に巨大な設備を保有していますから、圧倒的に強い立場と言わざるを得ません。国が国なら、独禁法に引っかかりそうなぐらいの圧倒的な底力を、ドコモは秘めているのです。
自ら、適正な価格競争を、ということで民営化しておきながら、負けっぱなしになるともう一度国営に戻そうとするあたりは、ご都合主義な感じが見えてしまいますが、ユーザーとしては、通信料が安くなるのは願ってもないことです。
つい先日、KDDIは、『ahamo』に対抗する新プランの発表を1月中には行うと宣言していました。

しかし、そんな悠長なことを言っていては、ドコモに既存客を取られても文句は言えなというほど、docomoの攻勢は凄まじいです。頑張れ民間企業!頑張れau!
本当にこのまま既存の料金プランを見直さなければ、官営企業のドコモにシェアを奪われてしまうことになりそうです。
ただ、何度も主張しているように、株主としてはたまったものではありません。投資先として、日本の通信会社の魅力は徐々に薄れていくことでしょう。
もちろん、民営のKDDIやソフトバンクが潰れるとは思えませんが、利益率や成長性の面では、かなり厳しい戦いを強いられることになるでしょう。官営企業と勝負するというのは、そういうことですからね。
どれほど大きな企業でも、国には敵いません。中国でもアリババ(BABA)の創業者・馬雲(ジャック・マー)氏が調子づいた発言をしたら、共産党によってお灸を据えられた事例がありましたよね。

日本のやっている事が、どんどん社会主義・共産主義に近づいているような気もしますが、それでも通信費は高かったしなぁ・・・やっぱり安くなってくれるなら嬉しいと言えば嬉しいです。
これらの新プランに、競合他社のKDDIとソフトバンクがどこまで勝負する事ができるのか。これからも注目していきたいなと思う次第です。もちろん、投資するつもりはありませんけどね。