今月9日に放送された『グッとラック！』で取り上げられた、「婚活女性が定義する“普通の男性”が物議」という放送内容が、一時SNS上で炎上しました。
番組で紹介された「普通の男性」の定義は以下のとおり、
【見た目】
・身長165センチ以上 体重60−80キロ
・星野源さんのイメージ
・ジム通い
【清潔感】
・化粧水をつけて就寝
・鼻毛が出てない
・ヒゲ・爪が整っている
・美容室は月１・２回
【学歴・仕事】
・日大・東洋大・駒澤大・専修大以上
・都内在住→年収５００万円以上
・地方在住→銀行など大手企業か公務員
このイメージに対して、「理想が高すぎる！」「そんなこと言ってたら永遠に婚活続くよ」などと言った批判の声が続出しているのである。
しかも、ビジュアルに関しては、「星野源さんでいい」という言い方をする人が多いみたいで、星野源さんに失礼極まりない発言である。
私はどうでしょうね・・・見た目で言うと、ジム通いはしていません。自宅で維持するためのトレーニングをしている程度です。私も塩顔ですが、星野源さんのような色気はありませんし、清潔感にも気を付けてますが、美容室に月に1、2回というのはなかなかハードルが高いです。せめて1ヶ月半〜2ヶ月に1度くらいで許してもらえないでしょうか。
それ以外はなんとかクリアできてそうですが、全てを満たすのはなかなか厳しいようです。収入面で言うと、都内在住で年収500万円以上とありますが、年代別の平均年収を見ると、30代後半でやっと年収500万円を超えるそうですので、30代後半の男性でも結婚相手として良いと考える人であればチャンスはあるかもしれません。
ただ、30代も後半となると未婚の男性や、パートナーがいない男性を見つけるのは、なかなか厳しいです。もしそのようなお相手に出会うことができたとしても、自分自身にアピールポイントがなければ厳しいかもしれません。結婚適齢期と言われる、20代後半〜30代前半の男性で年収500万円以上の方を見つけたいのであれば、業種を絞る必要がありそうです。大手IT企業の従業員であれば、年収500万円以上も現実的かもしれません。
話は逸れますが、そう言えば、数年前に、大ヒットとなったドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』では、星野源さんが、かなり高収入のITエンジニアの役をされてましたよね。まさにあのドラマの『平匡さん』こそが婚活女性が求める普通の男性像なのかもしれません。
また、地方在住であれば、銀行員や公務員と言いますが、地銀の経営状況はすこぶる悪く、今後どうなるかわからない業種であることを考えると、それほど安定した職業とは言えないでしょう。また、公務員と言っても、ピンキリではあるのですが、地方公務員全体（一般行政職）の30歳時点での年収は467万円(うちボーナスが106万円)と言われていますから、公務員であっても決して裕福な家庭を築けるとは限りません。
そもそも、そう言う人と出会うためにも普段から自分自身も磨いておく必要がありますし、全てを兼ね備えた『普通』の男性はほとんど存在していません。
お金を持っている男性ほど、相手の女性に求めるものも厳しくなるだろうことから、『普通の男性』と結婚に至るまでの道のりも険しいものだと考えておいた方が良さそうです。
また、普通の尺度も時代によって変化します。例えば年収で言うと、クレヨンしんちゃんのお父さんである『野原ひろし』の年収は600万円だそうです。30代前半で年収600万円、埼玉県の郊外に一軒家を持っており、大手企業の営業部係長。文句を言いながらも家族サービスも忘れず、子供とも全力で向き合う良き父親。
今の時代ではかなりの『勝ち組』だと言えるでしょうが、クレヨンしんちゃんの連載が始まった当時、バブル期の日本では、低収入の負け組扱いを受けていました。
裏を返せば、クレヨンしんちゃんの初期の頃と比べれば、今の日本はどんどん貧しくなっていると言うことになります。かつての負け組が今では『理想の男性』となり得るほどに、日本人の価値観はこの30年間で大きく変化したのです。
だからこそ、『普通』とは言っていても、よく調べれば実はものすごくハードルの高い理想を述べていたと言う現実とのギャップがあると言うこともあり得る話だと思います。
まず始めに、そこらへんにいる男性が星野源さんほどのルックスを兼ね備えていると考える時点で傲りがあると言えるでしょう。
収入に関しても、悲しいかな理想より高止まりしてしまっています。今の時代、男女問わず自分の力で稼ぐことが求められていますから、相手の年収などにこだわり過ぎるよりは、どこかの点で妥協して、自分も稼ぐぐらいの気持ちの方が結婚できる可能性は高まるのではないでしょうか。
普通の定義というのは、なかなかに難しいものです。この定義全てに当てはまる『普通』以上の男性を捕まえたいのであれば、ご自身も『普通』以上の女性にならざるを得ないのではないかと思います。
