国税庁発表の「民間給与実態統計調査」(令和元年分)によると、給与所得者は5,990万人で、1人当たりの平均給与は436万円。前年は平均年収が441万円だったため、少しマイナスとなっているがこの10年ほどで30万円ほど上昇しているということです。
しかし、平均とは残酷なもので、一部の高収入の人々が平均を押し上げているというのもまた事実。給与階級別の分布でみていくと、就業者5,255万人のなかで、最も多いのが300万~400万円以下で891万人。就業者の17%を占めています。続くのが200万~300万円以下で783万人ということで、年収のレンジで見ると1位、2位共に平均年収を下回っており、労働者全体の3割以上が年収400万円以下であることがわかります。

元記事の冒頭にもあるように、給料はなかなか上がらない性質のものであり、通常給与のベースアップは最低限の生活ができるように、インフレ率と同等にしか上がらないというのがセオリーです。それなら最低限の生活はできるはずですが、税金や社会保険料の負担が大きくなったことや、そもそも収入以上の生活を求める人が多いことから、常に金欠に悩まされているという人がたくさんいるのは紛れもない事実です。
特に800万人弱の人が年収300万円以下で働いているというのは、地方ならあり得ることだとしてもなかなかに厳しい現実であることを突きつけられます。年収300万円ということは、ボーナス無しだとしても、月収25万円以下ということですからね。手取り収入だと毎月20万円くらいだという計算です。
まあ、その中には、結婚して共働きで、年収をあえて103万円未満に抑えているという人も含まれますが、結婚して稼ぎ頭の収入が低いとやはり生活するだけでも精一杯ということになってしまいます。
そして何故かそういう風に収入が低い企業ほど副業を禁止していたり、そもそも激務で副業ができないということが往々にしてあるのです。不思議ですよね。高収入な方が働き方には時間的に余裕があったり、肉体的にはラクだったりするものです。
もしも収入が低いのに時間にも余裕が無いというようなブラック企業で働いているのであれば、今の時期とは言え、転職を考えたり、副業で人気のあるような働き方に全力で取り組めば、流石に今よりも高収入を得ることはできるだろうと思います。
そして、収入を高めるために必要なのは、自分ひとりの労働力だけでお金を稼ぐのではなく、自分のお金を使ってお金を稼ぐという考えを持たなければなりません。
『お金を使ってお金を稼ぐ』というのは、富裕層の間では常識です。世界中の富裕層は自分一人だけでなく、自分が営む事業を通して従業員に働いてもらったり、自分のお金や不動産などの資産にも働いてもらうことで、徐々に富裕層になっていったと言えるでしょう。
そして彼らのような富裕層が全員活用しているのが株式投資です。自身が営む企業を上場させることで多額の資産を手に入れた実業家が、フォーブス500に掲載されるような世界を代表する大金持ちなのです。
世の中の人たちは、全員が自ら起業して成功することができるわけではありませんので、起業するまでのリスクを負うことを避けたい人も多いでしょう。
ですが、すでに起業して巨大になった上場企業に投資することで、企業の利益の一部を受け取る権利を得ることができるわけです。故に株式投資というのは、大企業のビジネスモデルに乗っかって、大企業に勤める優秀な従業員に、自分の代わりにお金を稼いでもらうことなのです。
自分一人の力で得られる収入だけでは心許なくても、世界を代表するような大企業の利益の一部を手に入れる権利を得ることで時間をかけて徐々に資産を増加させることはできるはずです。
収入が低いということは、幸か不幸か、低い収入でやりくりできる工夫があるということです。そして収入が低ければ、現状の収入を高める方法はあちこちに転がっています。だからこそ、まずは収入を高める行動を取りましょう。具体的には、転職を考えたり、副業が禁止されていても、公務員でない限りは法律で縛られることはないので負担にならない程度の副業をするのもアリだと思います。
そして収入を高めても生活水準を変えずに余剰資金を生み出す家計を作り出し、無理のない範囲で余剰資金を株式投資に回すという習慣をつければそれだけで、あなたも将来的にはお金持ちになれるだろうと思います。
給与が上がることが見込めない上に、不景気な今だからこそ、行動した人とそうでなかった人の間には大きな差が生まれるだろうと私は思います。一時的に景気が悪くても、過去を見返せば必ず回復することはわかっているのですから、今こそお金持ちになるための準備を始める時なのではないでしょうか。