オランダのハーグ地方裁判所は、先月29日、エレクトロニック・アーツ(EA)のサッカーゲーム『FIFA』シリーズが「ギャンブル関係の法律違反違反にあたる」という訴えを支持する判決を下しました。

『FIFA』シリーズには「FIFA ULTIMATE TEAM」と呼ばれるチームカスタマイズモードがあり、選手獲得のためにゲーム内通貨を使用してパック獲得やトレードなどを行う必要があるようです。
2019年にオランダのNetherlands Gambling Authority(NGA)は、このシステムが法律に違反するとしてEAに対して罰金を支払うよう求め、法定で争っていましたが、ついに判決が出たと言うことになります。
本日より3週間以内に『FIFA』でガチャ要素が削除されなかった場合、オランダのギャンブル機関Kansspelautoriteit(Ksa)はEAに対して、毎週25万ユーロ・最大で500万ユーロ(約6.1億円)の罰金を科すことができるようになったとのことで、これにはEAも黙っておらず、「世界中のプレイヤーがFIFA ULTIMATE TEAMモードを楽しんでおり、このサービスが法律に違反しているとは考えていない」として控訴する姿勢を見せています。
実際にこの『FIFA』が問題視されているのは、他の多くのゲームとは異なり、過去にガチャで手に入れた強いカードを翌年の新作には持ち越されないと言うことで、強いチーム編成をするためには毎年ガチャに多額の資金を投入しなければならないということです。
そう聞くと確かに他のガチャよりも悪質なのかな?とも感じますが、そもそも他のゲームでもキャラのインフレがどんどん進んで去年の強キャラが今年はすでに雑魚キャラ扱いなんていうのはよくあることです。つまり、他のゲームでも毎月、毎年、課金しなければ強くなれないという仕様は変わらず、もしかしたらFIFAよりも悪質なものも無いとは言い切れません。
ヨーロッパを中心に、このようなゲームのガチャに透明性を求める動きは近年活発化しており、共存共栄の落とし所を探している状態が続いております。
もしこれが違法ということになれば、ゲームアプリのガチャという制度そのものが否定されることになり、オランダ以外でもこの判例が適用されるようになれば最近のゲームアプリ会社は存在自体が危ぶまれることになりかねません。
しかし、現在のガチャの性質上、ヘビーユーザーが重課金者となってしまうのは仕方のないところもあり、強くあり続けるには、ガチャを回し続けるより他ありません。リアルなガチャとは違い、上限もなく、どれくらい回せば当たりが引けるのかも分からないので『ギャンブル』と言われれば、否定のしようがないのも事実でしょう。
ですが、ギャンブル依存そのものが完全な自己責任の世界であり、ギャンブルだと分かっていても辞められないのは自制心のなさからくるものだと言えるでしょう。
そもそもギャンブルであれば、ものにもよりますが、賭けた金額の5割〜7割程度は返戻金があるので丸々損をすることはありません。しかし、ガチャに関して言えば、お金をかけてガチャを回し続けた結果、最強のキャラを手に入れても、「それが何か?」というような状態です。ガチャに投じたお金は一円も戻ってこず、丸々損することが分かっているのに手を出してしまうのですから、ギャンブルよりもソシャゲの方がよほどタチが悪いと言えるでしょう。
『ソシャゲ、ドルオタ、Vtuber』は、三大『ギャンブルよりもタチの悪い趣味』としてネット上でも語られるほどです。これらに共通するのは、投じたお金がほとんど何も形に残らないことです。アイドルオタクは、大量のCDが残るかもしれませんが、ほぼただのゴミですからね。
自分が好んでやっている趣味ですから、周りの人間が色々言うことではないのですが、やはりこれらの趣味にお金を投じている時点で、将来お金持ちになれる可能性はグッと低くなるだろうと思います。
ソシャゲがギャンブルであろうとなかろうと、お金の無駄遣いであることに変わりはありません。こう言った形で浪費するような人は、当ブログをご覧になっている方にはいらっしゃらないかと思いますが、知り合いや同僚などにこんな泥沼にハマってしまっている人がいるということも大いにあることだと思います。
ゲームの中で最強と言われるような人ほど、現実社会ではソシャゲに大金を注ぎ込んだ負け組であることが多いです。ゲームの中よりも現実で成功するために、まずは定期的に課金してしまっている現状を見直し、思い切って大金を投入したソシャゲをアンインストールするぐらいの荒療治が必要なのではないかなと思う次第です。