総務省による家計調査(2019年)によると、二人以上の世帯における1世帯当たり貯蓄現在高の平均は、1,755万円。そのうち、世帯主が会社や官公庁等に務めている勤労者世帯(社長や取締役、理事など、会社団体の役員である世帯を除く)の平均は、1,376万円となっています。さらに、貯蓄保有世帯全体の中央値は、二人以上世帯で1,033万円、勤労者世帯で801万円となったということです。
また、貯蓄額を年代別で見てみると20代で357万円ですが、30代になると倍以上の721万円に、さらに40代では1,076万円と徐々に増加していく傾向にあるようです。しかし、これらはあくまで全国平均。住んでいる地域によって、貯蓄額にはばらつきがあるのも当然です。
あくまで貯蓄のみにフォーカスしたランキングではありますが、47都道府県別に「貯蓄現在高」を見てみると想像を絶するほどの差があったことがわかりました。

貯蓄額のトップは、もちろん首都・東京で、貯蓄額は2,254万円。東京は物価が高いと言われていますが、住居費などにかかる費用は当然高くなるものの、その他の生活必需品の物価はそれほど大きく変わるものではありません。さらに、東京都内では収入のレンジが高く、平均年収は950万円だそうですから、お金が貯まる仕組みになっているのも頷けます。
私も転職で都内に出てきてから、今まで以上に投資に回す余剰資金が増加しており、資産増加のスピードが加速度的に上昇しているように感じています。『都内での生活は高い』とレッテルを張って地方で働き続けるくらいなら、一度都内に出てくることも考慮していいのではないかと思います。
2位、三重県の2,066万円は意外かもしれませんが、現実的で堅実、古くは『伊勢商人』は倹約家が多いとまで称された商人気質と倹約家の顔を持つ三重県が貯蓄額で全国トップクラスとなるのも当然と言えるかもしれません。
また、大都市である愛知県・名古屋市や、大阪市内も通勤圏内と言えることから、年収も全国5位と意外と健闘している事も貯金額が多い結果につながっているのでしょう。
逆に、最下位の沖縄県は貯蓄額576万円となり、トップの東京都との差は1,678万円にもなるという。勤労者世帯の全国平均貯蓄額が1,376万円と言っている中で、トップと最下位では平均以上の乖離があることがわかり、いかに地域格差が大きいかということが分かりました。
沖縄県は年収も全国最下位なので仕方のないところもあります。島国なので近隣に出稼ぎに行くという事もできないのは、資産形成においては痛いところですね。また、そもそも沖縄県の方は楽観的で将来のことを深く考えない性格の方が多いため、収入の大半を娯楽や生活費に充ててしまう人が多いのも原因の一つかもしれませんね。
先日記事にあげた、お笑い芸人・スリムクラブの内間さんも沖縄県出身の方で、もともと貯金がない状態で闇営業問題にコロナショックと立て続けに収入の減少に苛まれたために住宅ローンの返済もままならないという状態だそうです。

沖縄はとてもいいところで何度か訪れましたが、実際に住んだことはありません。なのでそれほど詳しくないですが、資産形成という面から見れば沖縄に住むのはあまり賢い方法だとは言えないのかもしれません。
住む場所によって、貯蓄額にこれだけ顕著な差が出るというのは、ある意味衝撃的な結果ですよね。やはり大きな資産を築こうと考えているのであれば、できるだけ都市部か、都市部に近いベッドタウンに住むのが賢い選択肢と言えるのではないでしょうか。
もちろん、お金があれば幸せということではありません。貯蓄額最下位の沖縄県は、『幸福度ランキング』では2位に位置し、首都・東京の25位を大きく離しています。平均寿命も長い方にランキングされている沖縄県では、生まれてから死ぬまで、上手いことお金を使い切って、人生を謳歌しているのかもしれませんしね。
でも、私は資産形成を通じて、お金にゆとりのある老後を目指しておりますので、やっぱりもう少し、都市部でコツコツとお仕事をしてコツコツと長期投資に勤んでいきたいと思います。正直なところ、お金があれば避けられる不幸はたくさんありますからね。
テレワークが広まっている昨今、どこに住むかということに対する自由度も上がっています。さすがに都内で働きながら沖縄在住は難しいかもしれませんが、将来を見据えた上で理想のライフスタイルを改めて考えるというのもありなのではないかなと私は思います。