【考察】「バリュー株投資は死んだ」のか?

投資の考え方
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バンク・オブ・アメリカ(BAC)は、今月8日に発表した報告の中で、バリュー株(割安株)はグロース株(成長株)と比較すると過去最悪の10年間を過ごしたと指摘しており、『バリュー株投資は死んだ』というショッキングなタイトルを付けて報告しました。

「直近の10年間は、バリュー投資家にとってドットコムバブルよりもひどいものだった」とし、バリュー株投資家が利益を上げるための手法についてまとめた記事を発見しました。

「バリュー投資は死んだ」…それでも利益を上げるための4つのステップ
「バリュー投資は死んだ」とバンク・オブ・アメリカは9月8日に発表された報告書で述べている。同行によると、バリュー株は過去10年間、成長株と比較して...

ですが、バリュー株投資は本当に死んでしまったのでしょうか?そもそも、バリュー株投資って何なんでしょうか?

用語の意味を調べたところ、「バリュー株投資」とは、その企業の持つ資産性、収益性からみた本来の価値に対して、市場で割安な価格がついている株式を買う投資法のこととありました。対義語として、企業の将来の成長力に着目した「グロース株投資」があるとされています。

ですが、バリュー株投資家と呼ばれる方々が買っているその個別株は、果たして本当に『バリュー株』なんでしょうか?

例えば、バリュー株投資家に人気のある『タバコ株』などは、度重なる訴訟問題や、人々の健康志向の変化によって、本来の価値よりも株価が不当に抑えられ続けているから株価が下落したら買い増しするのが良いとされています。ですが、タバコ株は言うほど株価が不当に抑えられ続けていたのでしょうか?参考までに、アルトリア(MO)のチャートを見てみましょう。

どうですかね?チャートを遡れるところまで遡ってみたところ、結構綺麗に右肩上がりに成長していると思いませんか?アルトリアは、2017年には74ドルまで株価が伸びています。1980年初頭の株価が1株当たり0.42ドルであったことを考えると、37年間でおよそ177倍にまで株価が成長していることになります。

アルトリアは、2010年頃までは緩やかにではありますが、調整をしながらも地味に地道に成長し続けてきたグロース株であり、『株式投資の未来』などの著書の影響で、アルトリアに目をつけた投資家たちによって、不人気株から一転、人気の投資先になってしまっていたのではないでしょうか。

タバコ銘柄は、確かに安定した収益を上げることができます。タバコの値上げをしても反発する国民は少ないので値上げが容易にできますし、一度吸い始めたらなかなか抜け出せないタバコの依存症を逆手にとった安定的なビジネスモデルは確かに優秀だと思います。

私はタバコが大嫌いなので投資しないだけであって、タバコが『愚か者からお金を巻き上げる優秀なキャッシュマシーン』であることは認めています。

しかし、現代ではそんな愚かな喫煙者の母数が圧倒的に減少してきており、安定した収益を見込める反面、急激に注目を浴びて株価が上昇したほどの成長率を上げ続けることは困難です。

タバコ株に関して言えば、2008年のリーマンショック時に、生活必需品として株価が見直されて以降、2017年にピークを迎えるまでの10年弱の期間を切り取れば、ハイテクほどではないにせよ、十分に『グロース株』のような値動きをしていたと言えるのではないでしょうか。

そして、2017年にピークアウトして調整期間に入り、タバコ株に投資している人々は、ナンピンを続けるか、早々に手放して『バリュー株投資は死んだ』と主張するわけです。

これは結果論ではありますが、2017年当時、ピークにあったアルトリアの当時のPERは25倍を超えていました。生活必需品という成長性のあまり無い安定感がメリットのセクターにありながら、PER25倍超えは、当時のアップル(AAPL)のPERが20倍を下回っていたことを考えると、明らかに割高と判断せざるを得なかったのではないでしょうか。

株式投資をある時点に絞って語るのはあまり好ましいことだとは思いませんが、2017年当時のアルトリアとアップルを比較した場合、『バリュー株』だったのは、どう考えてもアップルの方だったのではないか?と言わざるを得ないわけです。

2017年頃は、iPhoneがオワコン扱いされていたことや、株式投資より仮想通貨に注目が集まっていたこともあり、アップルは今ほどイケてる銘柄ではありませんでした。

すでに『GAFA』という言葉はありましたので注目は浴びていたのですが、『GAFA』ブーム自体が、いつものように一過性の株式投資ブームと同じで、そろそろ終焉が近いと思われていたのかもしれません。

前年の2016年ごろにはバフェット氏がPER10倍台のアップル株を買い始めたことから、一時的に注目を浴びる場面もありましたが、最近発生しているハイテクならなんでも上昇というような相場と比べればかなり地味な値動きでした。

だからこそ、2016年〜2017年頃のアップル株は、その企業の持つ資産性、収益性からみた本来の価値に対して、市場で割安な価格がついているバリュー株だったんじゃないでしょうか。

2010年代は長引く好景気のおかげで、『グロース株』のパフォーマンスが素晴らしい状態が続いておりました。

もしもこの好景気の中でも、PBRが1倍未満のいわゆる『バリュー株』が見つかったなら、その企業は景気が良くても成長する見込みのない、斜陽産業だと見切りをつけた方が良いでしょう。バリュー株投資という大義名分で、景気回復の波に乗り切れない、価値のない企業に投資するのは賢明な投資判断とは言えないでしょう。

好景気の時代では、『グロース株』も『バリュー株』も株価が爆上げしてしまい、相対的に投資冥利がなくなってしまうわけです。なんでもかんでも株価が上昇する市場環境なら、成長性の高い『グロース株』の方が投資家の期待に応えられる分、有利なのは言うまでもありません。

そして、好景気の時代にも関わらず、株価が上がらず『バリュー株』に見える銘柄は、株価が上昇しない重大な欠陥がある斜陽産業の可能性が大きいのです。

つまり、好景気と『バリュー株』の相性が悪いというだけで、好景気が長引いた弊害で、人々はまるで『バリュー株投資が死んだ』と勘違いしているだけに過ぎないのではないでしょうか。

今後、コロナの影響か、それとも別の要因か、わかりませんが、世界的に不景気な時代が到来すれば、再び全ての株がたたき売られる時代が来るかもしれません。その相場全体が叩き売られている時こそ、本来の意味の『バリュー株』が市場のあちこちに落ちている状態が訪れるのではないでしょうか。

もしも市場全体が大暴落したタイミングで、『GAFA』や他のハイテク株であったり、または安定的な生活必需品や、ヘルスケアセクターなど他のセクターの優良株がPER10倍台で叩き売られていれば、私は借金してでも株を買い占めたいと思いますね。

バリュー株投資とは、不景気や市場全体の調整時に、本来の価値よりも安くで株が売られているときに仕込んでおき、次の株価上昇を待つという投資方法だと思います。

バリュー株投資が死んだのではなく、今はバリュー株投資との相性が良くない相場だっただけで、株価の調整がどこかで必ず入るのは明確ですから、そのときに株を仕込んでおけば、ぐんぐん成長する『グロース株』だって、十分に『バリュー株投資』と言えるのではないでしょうか?

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