今年も、毎年恒例となっている日経平均株価を構成する225銘柄の入れ替えの時期がやってまいりました。
日本経済新聞社によると、日経平均株価を構成する225銘柄のうち、1銘柄を定期見直しにより入れ替えると発表。通信セクターのソフトバンクを新たに採用し、化学品の日本化薬(4272)を日経平均から除外することが決まりました。

ソフトバンクはソフトバンクグループ(9984)を別物と考えるのであれば、携帯会社の3大キャリアの中では唯一、日経平均株価に採用されていなかったので、上場からまだ間もないですが採用されたということですかね。非常に意外な選択でした。
アナリスト予想では、昨年同様ZOZO(3092)やカカクコム (2371)などが最有力候補と言われていたため、最近はこれらの企業の株価が少しずつ上昇していました。
特に、カカクコムなんかは、『Go to eat』キャンペーンの委託事業者にも採用され、コロナショックの影響で大ダメージを受けた食べログ事業が回復するきっかけとなるかと見られていたので、今年こそは選出されるかと思っていたんですけどね。

それが、携帯会社のソフトバンクとなると、すでに日経平均に大きな影響を与えるソフトバンクグループがあるのに、親子での上場となると日経平均株価への影響力はさらに大きくなります。
それにしても、日経平均株価の銘柄入れ替えは、NYダウと比較するとなんともつまらない銘柄選択ですね。携帯会社の方のソフトバンクなんて、今後大きく成長するほどの企業だとは思えません。
上場からもうすぐ2年となるのに、いまだに上場時点の株価とそれほど変わりない株価で停滞しています。

つい先日、NYダウの銘柄入れ替えが報道された時は、衝撃的でした。一つの時代の終わりと新しい時代の始まりを感じましたね。

本来、銘柄入れ替えというのは指数への影響力も考慮しながらですが、オールドエコノミーから、これから成長していくであろう企業にシフトチェンジしていくというイメージが強いのではないでしょうか。
例えば2015年には、当時アップル(AAPL)が株式分割を実施したことにより、一株当たりの株価が安くなり、NYダウに採用することができる基準株価になったため、AT&T(T)と入れ替えという形で、NYダウに採用されました。
当時は、1916年にNYダウに採用されたAT&Tが1世紀の時を経て、アップルにその座を明け渡したことが、まさに時代の変化を表す出来事として大変大きな注目を浴びました。
今回のエクソン・モービル(XOM)からセールスフォース(CRM)への入れ替えも、大きな時代の変化を表していますが、AT&Tはかつて、米国でiPhoneの独占販売をしていた提携パートナーだったこともあり、2社間の明暗を表す出来事として、今回の銘柄入れ替え以上のインパクトがあったことを覚えています。
しかし、『平成元年時点での時価総額世界一企業』であり、『日本(NIPPON)版AT&T』とも言える、NTT(9432)は令和になった今現在でも日経平均株価に採用されているのです。
まあ、NYダウと違って、225銘柄も選ばなくてはいけない上に、大して将来有望な企業が無いわけですから、外されないだけかもしれませんが、NTTはすでにオールドエコノミーと言える企業だと私は思います。
しかもこのタイミングで携帯電話会社を新たに日経平均に採用するというのは、なんだか日経平均株価の新陳代謝がそれほど活発に行われていないんだろうなと感じざるを得ませんね。
とは言え、新たに成長性のある日本企業が候補に上がらないのも問題なんですよね・・・やっぱり、日経平均株価という指数はインデックス投資などで投資したいとは思えません。もしも日本株に投資したいという人がいるなら、日本株こそ個別株に短期的に投資をして利幅を狙っていくのが良いのではないかなと思います。
成長期待が薄いなら、日々の値動きの幅を取っていくしか儲ける方法はありませんからね。もちろん、かなり高い確率で損もしますから、ハイリスクハイリターンの投機的な行動である事は説明するまでもないでしょう。
しかし、あまりワクワクしない銘柄入れ替えの日経平均株価にはあまり投資名利がないと言えるのではないでしょうか。