昨日のTBS NEWSの報道によると、今月すでに東京都内だけで熱中症で亡くなった人の数が148人にのぼったとのことです。

今月20日までで、日本全国でコロナウイルスによる死者の合計が138人ということを考慮すると、熱中症の猛威は凄まじいことが分かります。しかも亡くなった方の8割が『エアコンを使っていなかった』ということで、「何でエアコン使わないんだろ」「節約してるのかな」と言った疑問の声が多く上がっていたということです。
しかし、実際にはエアコンを使っていたにもかかわらず、夜寝るときに1時間、2時間ほどで電源が切れるようにタイマーをつけたことで、睡眠中に亡くなってしまったという方が約半数ほどに及ぶようです。
私も昨年まではタイマーをつけて寝る習慣があったのですが、最近はタイマーをつけずに寝るように習慣を変えました。タイマーをつけて寝ていると、夜中にうなされて目覚めたり、朝起きた時にもやはり命の危機を感じて目覚めるようなことがあったためです。
実際、電機メーカーによれば、仕事などで数時間単位で家を空けることがない限りはつけっぱなしの方が経済的だという意見もあり、家にいる間は基本的につけておいた方が良さそうです。
私自身、テレワークの影響もあり、ほぼ1日中家にいることが多くなったため、1日のうちほとんどはエアコンをつけた状態で過ごしています。朝起きたあとは少し肌寒いのでエアコンを消しますが、5時間くらい経って、日光が強くなり暑くなってくるとまたエアコンを稼働させています。なので毎日20時間弱はエアコンをつけっぱなしにしている状態ですね。
確かに前年と比較しても電気代はかなり上がっています。ここ3ヶ月の平均で20%は上がってしまっています。幸い、元々の電気代を抑えていたこともあり、金額で言えば大した額ではありませんが、割合で見ると大きいです。
ですが当然、命には変えられません。私も、雪だるまの端くれとして、この猛暑を生き抜くために文明の利器を活用せざるを得ないわけです。月額数百円で溶け出してしまうことを防げるのであれば安いものです。
逆に考えれば、ほとんど自宅で過ごしており、エアコン以外でも電気を使う場面が増えたのに数百円しか電気代が上がっていないということは、エアコンが消費する電力はやっぱり相当抑えられるようになったんだろうなと推測できます。メーカーの弛まぬ努力には頭が下がる思いです。
環境のためにできるだけ使わないという思想をお持ちの方も大変素晴らしいお考えだと思いますが、命あってのことですから、きちんと自分の体調と相談して判断することをオススメいたします。
時代の変化はどんどん早くなっていると言いますが、私たちを取り巻く環境の変化も著しく、私が子供の頃と比較しても、真夏の暑さは毎年厳しくなってきています。高齢者の方が、真夏の暑さを軽く見積もってしまうのも分かる気がします。今の60代以上の方が幼かった頃、つまり半世紀ほど前までは東京都内でもここまで暑くはなかったようです。
今から半世紀前、1970年の8月の気象データを調べたところ、8月にも関わらず、最高気温が35℃を超えたのはわずか2日。さらに10年ほど遡って、1961年の8月の東京では、気温が35℃を超えた日は1日もありませんでした。まあ、気温なのでバラつきがあるのは仕方ないところですが、平均的に気温が上昇しているのは私ですら実感するのですから、高齢者が真夏の暑さを見誤ってしまうのは仕方のないところかもしれません。
しかし、ここ数年は本当に命に関わるレベルの猛暑が続いており、半世紀前と比較すれば、気温以上に体感温度が上がっているとも言われています。文明の発展が気温の上昇を招き、その結果として文明の利器であるエアコンが必要不可欠となり、さらなる気温の上昇を招く結果となっている、まさに負のスパイラル状態ですが、何度も言う通り命には替えられないのです。
電気代を節約するために、環境のためにという考えでエアコンをできるだけ使わないでおこうとお考えの方もいらっしゃるかもしれませんが、それで命を落としていては元も子もありません。
今の季節は、コロナウイルスよりもはるかに熱中症の方が恐ろしいです。そして熱中症はコロナと違って対策可能な症状です。
熱中症に対抗する最大のワクチンはエアコンと適切な水分補給です。これくらいの暑さなら大丈夫だろうという甘い見積もりで、かけがえのない命を落とさないよう、どうか皆様お気をつけくださいませ。