米商務省が30日に発表した4~6月期の実質国内総生産(GDP、季節調整済み)速報値によると、前期比年率換算で32.9%減少したということです。

新型コロナウイルスによる経済封鎖で、統計が取れる戦後以降の記録では、最大の下落幅となりました。今までの下落幅の最大値は、リーマンショック真っ只中の2008年10~12月期に記録した8.4%減ですから、32.9%の減少というのは文字通り、桁外れの下落となったということです。
3月中旬から5月にかけて、小売店や飲食店の店内営業は全米でほぼストップし、GDPの7割を占める個人消費は前期比年率換算で34.6%減となったということです。
また、企業の設備投資は27.0%減と、金融危機直後の2009年1~3月期(26.9%減)と匹敵する落ち込みとなった上、輸出は64.1%減となり、09年1~3月期(28.6%減)を大きく上回るマイナスとなったということです。100年に一度と言われた経済危機と比較してもかなりの大ダメージであることが伺えます。
これほど歴史的な大暴落は確かに過去を振り返っても記録に残っておらず、今回のコロナショックによる経済封鎖がどれほどの影響を与えるのかということが実績として露わになりました。
一応、今とは算出方法が違うため、比較対象とはならないのですが、1929年に発生した世界恐慌の際には、1929年から1933年の4年間で世界中のGDPが15%下落したといわれています。
今回の下落は単純に考えてそれ以上のマイナス幅となっていますので、世界恐慌よりも恐ろしい結果になりそうだと噂されています。確かに今回の結果だけを見れば、相当悪い数字であると認めざるを得ません。
しかし、今回のようなパンデミックによる株価の下落は、金融危機などと比べれば長続きせず、一瞬で調整が終わるかもしれません。事実、大幅マイナスとなったとは言え、徐々に経済活動が再開された6月頃には少しずつではありますが、回復基調にある企業が多く見受けられます。
コロナウイルスについては、まだ今のところ有効な治療法が確立されていないので、楽観視はできませんが、逆に治療法さえ確立されれば、恐るにたらず、株価は一気に回復していくのではないでしょうか。
もしワクチンや特効薬が開発されれば、インフルエンザなどと同様に、命の危機はあるものの治療可能なウイルスという扱いになるでしょう。毎年のようにインフルエンザは流行りますが、その度に経済活動を停止したりはしないですよね?そう考えると、ワクチンが完成すると言われている来年頃にはコロナウイルスによる騒動は一旦、収まっているのかなと予想されます。
マイナス32.9%という数字は確かに過去に類を見ない数字でインパクトは大きいですが、前回の1-3月期のGDP発表時には、「4-6月期のGDPは40%を超えるマイナスになるかも」という悲観論まで出ていたので、少しは改善したというポジティブな捉え方もできます。
さて、そんな悲観的だった株式市場において、昨日は注目の集まる米国の大手ハイテク企業『GAFA』各社の決算が発表されました。
4社ともに大変好調な決算を発表し、私が保有するアップル(AAPL)は、EPSが予想$2.07に対し$2.58、売上高が予想525.6億ドルに対し596.9億ドルとなり、8月末には4:1の株式分割も発表されました。単純にアップル株が買いやすくなるなということで大変ありがたいです。

その他の3社もいずれもコンセンサス予想を超える好調さで、アルファベット(GOOGL)はEPSが予想$8.23に対し$10.13、売上高が予想373.4億ドルに対し383億ドル。
フェイスブック(FB)はEPSが予想$1.38に対し$1.80、売上高が予想173.6億ドルに対し186.9億ドルと、広告収入がメインとなる2社もコンセンサス予想を難なく超える結果となりました。
また、アマゾン・ドット・コム(AMZN)はEPSが予想$1.62に対し$10.30と予想を遥かに超え、売上高は予想812.7億ドルに対し889.1億ドルとなったため、市場が閉まった後にはアマゾン株が6.5%の上昇を見せるタイミングもありました。

市場全体を見ればNYダウ、S&P500指数は軟調さを見せていますが、ナスダックは上昇するなど、ますますハイテク株が強く、それ以外のセクターはそれほど。と言った状態が続いているのです。今回の決算を鑑みれば、これから先ハイテク各社の株価がまだまだ上昇余地があると好感を得るのではないかと予想されます。
しかし、そもそもこの四半期には全体的にめちゃくちゃ悪化することなんて数ヶ月前から分かっていたのです。ハイテク各社が好調なのも、ある意味想定の範囲内ではないでしょうか。
どちらにせよ、今のこのタイミングになって持ち株を手放すなんていうのはクソダサい結果につながる可能性がある訳です。
ハイテク株も力強さを見せつけたために好調だし、それ以外のセクターも調整するタイミングですから優良株を買い増しするチャンスです。GDPマイナス32.9%というインパクトの割には大きく株価が下がっていないのも、これを機に株を買い増ししている投資家も多いからだと私は思います。
どんな状況に置かれても、焦らず騒がず、じっくりコツコツ投資を続けていくのがベストだと言えるのではないでしょうか。