三菱UFJ銀行は22日、米ベンチャー企業の技術を使い、倉庫に保管している3億ページ以上の印鑑が押された紙の書類を電子データ化すると発表した。
また同時に、今まで電子データ化の最大の障害となっていた、「ホチキス外し」も、人工知能(AI)を活用して自動化することに成功したということです。
今までの体制であれば、3億ページにも及ぶ書類のホチキスを外すだけで、30人体制で約68年もかかるとされていた事務作業が同じ体制で5年にまで短縮されるということです。
このニュースに、今まで68年間かかるとされていた『ホチキス外し』に従事していた従業員はすべてリストラ候補の『追い出し部屋』に追い込まれた行員ではないかとネット上で話題になっています。
68年かけて書類3億枚のホッチキスを外す作業に従事している30人の行員ってやはり追い出し(ry
— Shen (@shenmacro) July 22, 2020
「従来は30人体制で約68年かかるとされた作業が、同じ体制で5年に短縮できる」 https://t.co/M7ys5Qr6iO
また、効率の悪さを揶揄するようなリプライも見られました。
ホチキス外す人。
— 在宅介護投資家 1659/3743株 (@RDMG2EQTVC3ses1) July 22, 2020
ホチキス外れたのを確認する人。
クロスチェックする人。
ホチキス外れましたハンコ押す人。
ホチキス外れた書類をスキャン準備する人。
ホチキス外れた書類をスキャンする人。
スキャンデータ確認する人。
同じく、クロスチェックする人。
ホチキス外れた書類を回収する人
それにしても、いかにメガバンクと言えど、三菱UFJ銀行にはホチキスを外すためだけに30名もの社員を養う余裕があると言えるのでしょうか。
三菱UFJ銀行の平均年収は全職種を合わせると773万円と言われています。総合職なら30歳の時点で1,000万円を超えることも珍しくはないということです。
三菱UFJフィナンシャルグループ(8306)の利益率は、過去3年間を振り返っても徐々に下落しています。まあ、前期の収益率の低下要因としては、海外子会社の減損などもありますので、一概に収益性が低下しているとは言えない部分もありますが、だからと言ってホチキスを外すだけの年収1,000万円弱の行員を雇っているだけの余裕はないのではないかと思います。
実際にメガバンクには、1つの単純業務を監視するだけの業務をする人、さらにそれを監視するだけの業務をする人・・・と言ったように、一般的な企業からすれば明らかに『無駄』と言える人材がたくさんいると言われています。
日本企業は基本的にはよほどのことがない限り、リストラをすることは出来ませんからね。同行が今年の春に8000人規模のリストラを発表したときは大変な衝撃としてニュースになりました。
日本企業のリストラをしないという心がけは非常に素晴らしいものだと思いますが、完全に無駄な人員も支えるために無駄な人件費がかかっているのは明らかです。
リストラがないおかげで助かっている労働者もいるでしょうが、日本企業の利益率が悪い原因の一因として『働かないオジサン』の存在があると言えるでしょう。
米国では、例えば日本人のようにダラダラと残業をしていたり、話をまとめることが出来ない人員は即刻クビになります。能力がなければすぐに切られてしまうのがオチでしょう。
きちんと成果を生み出すことができる優秀な人員だけが生き残ることができるのが米国の労働市場であり、本来あるべき資本主義の形なのではないかと思います。
米国の企業が、日本の同業他社と比べて収益性が高いのは、余計な人員を採用せず生産性の高い優秀な従業員ばかりが集まって利益の向上を目指しているからなのだと思います。
三菱UFJ銀行の収益性も、彼らをリストラすれば解消するのでしょうが、そういう訳にはいかないのでしょうね。これから先、ますます金融業が儲けるのは厳しい時代が来るでしょうが、大きく収益性が改善されることは多分ないのだろうと思います。
投資家としては、同じセクターに投資するにしても、日本企業よりも米国企業の方が収益性が高く、投資冥利があると言えるのではないでしょうか。私はやっぱりこれからも米国株に資金を投じようと思います。