ダイヤモンドオンラインに掲載される投資関連の記事で、大体の場合は出版される著書の紹介ばかりで、あまり参考になるようなものは無いのですが、今回も著書の紹介ではあるものの、その書籍の著者は世界No.1の投信評価会社「モーニングスター」のトップである朝倉智也氏だということですから、注目度も高まります。
私は株式投資を日本人全員に勧めるくらいの気持ちで日々当ブログを更新しており、多忙な方であれば、無理に個別株を買うのではなく、S&P500に連動する、海外ETFのVOOや、自動でコツコツ積み上がっていく、S&P500に連動する投資信託への継続的な積立投資を勧めてまいりました。
ですが、朝倉氏はあえて「投信は、すべての投資家に適した商品ではない」と語っておられるのです。

投資信託は、誰にでも向いているというものではないというのは衝撃的な発言であり、投信評価会社のモーニングスターがそれを言っていいのかとも思ったわけですが、中身を見ると実に正論でした。
漠然と「儲けるため」とか「すぐに2倍、3倍になる投資をしたい」といった、長期的な目的意識のない投資家には、投信は向いていません。
タイトルにもあるとおり、投資信託を短期売買目的で保有するのはあまりお勧めできることではありません。そもそも本来ならば個別の株式への投資も長期投資で行うべきなのですが、こと日本では、どうも短期売買で大儲けを期待する投資方法が当たり前になってしまっているのが現実です。
そういう思考回路の人には、そもそも投資自体が向いてはいないのですが、投資信託のように長期保有が前提となる投資商品は尚更、短期売買には向いていないと言えるでしょう。
また、投資に回す余裕のあるお金(余剰資金)がまったくない人にも、投信はお勧めできないと主張されておりました。
これも正論であり、投資信託は自動で決まったタイミングで投資をし続けることができる訳ですから、毎月1万円ほどの少額であっても、余剰資金を生み出すことができない人にとっては意味のない商品となってしまいます。
例えば1万円だけ投資信託を買ってそれ以降積立投資をしなかったとしたら、いくら優良な商品を買ったとしても、年間リターンが6%だとして、12年かけてやっと倍の2万円に到達するだけです。これでは、寿命が何百年あっても足りませんよね。毎月決まった金額をコツコツ買い増しすることで複利効果が最大化される訳です。
余談ですが、毎月ちゃんと1万円をコツコツ投資したとして、年間リターン6%で12年間で計算してみると、たった1万円でも210万円を超える資産を築くことができるのです。

もし仮に、毎月5万円を12年間積立投資することができれば、1,000万円を超える資産を築くことができますし、毎月10万円なら、12年で『老後2,000万円不足問題』は解消する計算になります。
複利計算の力は凄まじく、うまく使えば莫大な資産を築き上げることができますが、毎月コツコツ投資をしないというのであれば、それは複利計算の力を最大限活用できていないことになります。
さすが投資信託のモーニングスターを率いる社長の言葉ですね。非常に正論をおっしゃっていると私は感じました。
投資の本場である米国では、個人投資家はたいてい、きちんとしたマネープランを立てて資産を運用しており、人生の目標は人によってさまざまですが、どの目標も短くても5年以上、長い場合は20~30年という投資期間を見込んで目標を立て、投資信託などの投資商品に計画的に投資を続けていると言います。
私も投資を始める前に事前に計画を立てて事に当たりました。収入が低かった頃には、毎月コツコツとはいきませんでしたが、今のところ私は計画以上のペースで資産を拡大させることができています。
投資を始めるのであれば、それぞれの人生プランを元に、長期的な目線で計画を立て、コツコツと投資を続けるというのが正しい取り組み方だと私は考えております。
投資初心者のうちにこそ、きちんとした投資計画を立て、長期投資に力を入れていくことを私はオススメいたします。