私の考える、三大『結局よく分からない肩書』の一つであり、『経済評論家』・『料理研究家』と並んで謎に包まれている『婚活アドバイザー』の方が書かれたとあるコラムが目につきました。

婚活アドバイザーの方によると、「30歳を過ぎて実家で暮らしている男はダメ男の可能性が高く、要注意!」だそうです。なんとまぁ、偏見塗れのご意見でしょうか。さすがは『婚活アドバイザー』ですね。
今回取り上げられているのは、30代半ばの実家暮らしのイケメン男性との交際に悩む20代の女性。交際相手の男性と真剣に一歩踏み出すために新居探しをしに行ったところ、男性が突然「結婚するのが怖くなった」と言って帰ってしまったという。
婚活アドバイザーさんのありがたいアドバイスによると、「真剣交際を目前に逃げ出すようなダメ男に塗る薬はない!」として、30過ぎて特別な理由もなく実家暮らしをしているような男との交際は避けるべきだとしています。
確かに一人暮らしをすることで家事をする能力とかは高まります。だからと言って実家暮らしがダメかというとそんなことはないと私は思います。というか、今の時代は『特別な理由』がなくても実家暮らしをしている人も増えてきているのではないでしょうか。
今の30代の平均年収は450万円と言われており、中央値で言えば300万円台半ばと言ったところだそうです。

30代半ばで実家暮らしをしている人の中には、一人暮らしできるだけの経済力を有していないというパターンも大いにあるのです。(確かにそんな人との結婚は考え直した方が良いかもしれませんがね。)
そうでない場合でも、実家暮らしの方が余剰資金を工面しやすいのは事実であり、『実家暮らし』という選択肢がイコール自立心のないダメ男という考え方は少し、昭和時代の時代錯誤的な考え方になっているのではないでしょうか。
また、外部から見て『特別な理由』があるのかどうかが分かりづらいことを考慮しても、実家暮らしだからダメ男などという偏見は捨てた方が婚活も上手くいくのではないかと、老婆心ながら私は思います。
今回の男性の場合は、実家暮らしで仕事以外のことはすべて母親任せだったということですが、実家に暮らしていようが、一人暮らしをしていようが、親に依存している人はしているしそうでない人は自立していると言えるのではないでしょうか。要は人それぞれであり、一人暮らしか実家暮らしかはそれほど重要ではないと感じています。
実家暮らしで親のすねをかじり続ける人がいる一方で、実家暮らしで着実に資金を貯めて将来に備えるための行動を取り続けている人もいるのです。そういう内情を知らずに実家暮らしはムリ!とレッテルを貼るような記事を公開するから、社会人になったら実家から出ないと!と無理してしまう人が多いのではないでしょうか。
そしてその結果一人で悩み疲れて、最悪自ら命を断つようなこともしてしまうのではないかと思います。実家暮らしだろうが一人暮らしだろうが、それで人の価値は変わりません。
実家暮らしの中にも、外から見て分からないだけで、ちゃっかりと貯め込んでいる『隠れ資産家』の方がいらっしゃるのは間違いないでしょう。
結婚相談所に登録するほど結婚に前向きな方々が、『実家暮らし』というだけでパスするという行動が果たして賢いのかどうかは定かではありませんよね。彼女たちがパスしてきた中に、もしかしたらとんでもない”掘り出し物”の素晴らしい男性がいたのかもしれません。
また、結婚相談所のルールはよく存じ上げませんが、複数の異性と本格的ではないとはいえ、並行して交際するのはやめておいた方がよろしいかと感じます。ただ単に食事に行っただけというものを交際とカウントしているだけなら問題ないと思いますが・・・
ただ、今回のケースにおいては、普通に食事をしていて、少し良いなと感じた相手の女性が突然、新居の話をしてきたので警戒心を高めて別れようとしたとも考えられます。男性側だけに非があるのかどうかはこのケースでは読み解けません。
資産形成という観点から見ても、結婚相手というのは大変重要で、パートナーとの協力が得られないとお金持ちになることは難しいと言えるでしょう。こんな人は嫌だと足切りをするのではなく、一緒に過ごしていて価値観や気の合うお相手と結婚するのがベストではないかと私は思います。