ダイヤモンド・オンラインに、大変興味深い記事が掲載されておりました。

今年5月始めにウォーレン・バフェット氏が会長を務める投資会社バークシャー・ハサウェイ(BRK)の株主総会が開かれました。私も記事にさせていただきましたが、この時に大きく取り上げられた内容は、『バフェット氏が航空株を売却した』ことと、『バフェット氏がそれでも米国に強気である』ということでした。

バフェット氏は相変わらず米国に強気の姿勢ですが、それでもコロナショックの調整時に株を買い進めることはしませんでした。それは彼が、株主総会の中で4時間半にも渡って語った言葉の中に隠されていました。
バフェット氏は「米国へ投資をしよう」と発言しているのですが、その中でも「今後複数年は何が起こるか分からない」と発言している。アメリカへの投資をしようとしていた人は楽観視せずに、慎重に分析をしながら行った方が良く、将来が読めない時期は何年も株を一切買わずにチャンスを待つというのがバフェット氏の本来の投資スタイルなのです。
これはバフェット氏が経験した世界恐慌の経験が活きており、バフェット氏が生まれた1930年頃にはすでに株価が20%以上反発していたようですが、その後2年間でNYダウは80%以上下落し、株価が回復するまで相当の時間を有することになりました。
「大恐慌が株価に与えた影響は驚異的で、株式市場が以前の状態に戻ったのは1951年1月4日のことでした。つまり1930年8月30日に生まれた子どもが、大学を卒業するまでの時間がかかったのです」
また、バフェット氏はFRBの政策を絶賛している反面、FRBを信用することはしないということです。
「私達はFRBに頼るつもりはありません。FRBが満足のいく政策をとれなくても大丈夫なように、常に備えています」
バフェット氏が本当に主張したい内容は、米国を代表するような企業への投資を20年〜30年という長期間において継続するつもりなら問題ないが、これから数年間の相場環境は本当にどうなるか分からないということです。
そしてFRBが良い政策を取るか否かにかかわらず、本質的な価値のある企業への投資をすることで、FRBに頼らない投資ができるということです。これから先、20年〜30年に渡ってFRBの議長が常に素晴らしい政策を取り続けるという保証はありませんからね。
またバフェット氏は、最も恐ろしいのはウイルスよりも人々の恐怖心だと語り、今後の見通しが不明な今の時期は、保険業を営むバークシャーにとって、リスク回避のために株を売却するという選択肢は必要だったということです。
我々個人投資家は保険業を営んでいるのではない限り、バフェット氏の投資判断に乗っかる必要はなく、自分が信じる投資方法を継続することが、投資で成功するために必須だと言えるのではないでしょうか。