昨夜、毎月の恒例となっている米国雇用統計が発表されました。結果は決して良いとは言えないものの、非農業部門の雇用者数が前月比480万人増と市場予想(290万人増)を大幅に上回り、失業率も11.1%と、市場予想の12.4%を下回る結果となりました。

開始直後から米国株は上昇しており、NYダウは2万6,000ドルを回復してきました。

最近、絶好調なナスダック総合指数も最高値を更新しており、この記事を書いている時点では米国株の好調さが見受けられる状況です。

個別株で見ても全体的に好調さを見せており、昨日トヨタ自動車の時価総額を抜き、自動車メーカー世界一の時価総額となったテスラ(TSLA)がさらに大幅上昇となっています。

朝方発表した2020年4~6月期の出荷台数が9万650台と、7万2000台前後との市場予想を大幅に上回った。量産車「モデル3」の出荷が好調だったことが好感を得たということでしょう。

アップル(AAPL)の時価総額も一時1.6兆ドルを超える場面があり、サウジアラムコの上場によって時価総額世界一の座を明け渡していた同社が再び時価総額世界一になる日も近いのでは無いかと思わせる底堅さを見せておりました。

さて、このように雇用統計が市場予想よりは良かったとは言え、それほど楽観的になれる状況ではない訳ですが、それでも投資家たちは全面的に買いの様相を見せています。
米国時間の明日、7/3は米国の独立記念日であり、米国株式市場は3連休となります。本来であれば連休前の株式市場は売り圧力が強まります。これは米国・日本問わず同じだと思います。
取引ができない週末に何か嫌なニュースが流れるというリスクに備えてポジションを手放してしまう大口投資家が多いのです。
そんな売り圧力が強い状況にもかかわらず、米国株がこれほど力強く回復しているというのはどうしても警戒心を強めてしまいますね。
また再びロックダウンしてしまうのか?という懸念が生じるほど、米国でも新型コロナウイルスの脅威が再燃しておりますし、日本でも東京都で100名を超える感染者が出るなど、コロナウイルスが猛威を奮っております。
通常のウイルスであれば湿度の高いこの季節は感染力を弱めるはずなのですが、あまり関係ないようで、改めて新型コロナウイルスの感染力の高さを思い知らされています。
私だけではなく、多くの個人投資家がいわゆる『二番底』を待っている状況かと思いますが、もしかしたら『二番底』なんて幻想で、もう来ないのかもと思わせるような市場環境が戻ってまいりました。
しかし、そうやって気を抜いたところに株価の暴落は訪れるものです。なんとも不思議なものですよね。私も2月末頃の株価の暴落直前に気を抜いて普段よりも多めに株の買い付けをしたところ、その後大幅に資産が暴落することになりました。
まあ、それも一時的なものであり、すでに現在、私の資産総額は史上最高値を更新しています。まだNYダウが回復しきっていないにもかかわらず、資産総額が最高額を更新してるのは、ひとえにコツコツ追加投資を継続してきた賜物と言えるでしょう。
株価が上昇している時に追加投資するのはもちろんのこと、株価が下落したタイミングでこそ元気に投資をしていくというスタンスを忘れない限り、株価の暴落も楽しめるようになるものです。
雇用統計が少し予想を上回ったというだけで、そんなに良い結果とは言えない今回の内容、それによって株価が上昇する状況でいつ調整が入ってもおかしくありません。個人投資家の皆さんにおかれましても、今のようにキナ臭い状態でも株価が上昇するというのが普通だと考えているのであれば考えを改めるきっかけとなるのかもしれませんね。
決して楽観視も非監視もしすぎることなく、常にフラットな気持ちで市場に居残り続けることを心がけましょう。