フォーブスジャパンによるとパンデミックの発生以降、6兆5,000億ドルの世帯財産が消滅したということです。

その一方で、米国のビリオネアの資産はあわせて5,840億ドル以上も増加しており、お金持ちとそうではない人々との間にある格差がさらに広まっている模様です。また、ビリオネアの中でも特にトップクラスの資産家たちの増加具合は凄まじいようです。
ジェフ・ベゾス(Jeff Bezos)、ビル・ゲイツ(Bill Gates)、マーク・ザッカーバーグ(Mark Zuckerberg)、ウォーレン・バフェット(Warren Buffett)、ラリー・エリソン(Larry Ellison)という米国のビリオネアトップ5の資産は、パンデミックの発生以降、合計で1017億ドル(26%)増加した。
米国のトップに位置する5人だけで資産総額は1,000億ドル以上増加しており、まさに『富める者はますます富み、貧しい者はますます貧しくなるということがよくわかる結果となっているのです。
以前、金持ちから税金を取れば貧しい人々を救えるのか?という記事を書き、大変好評を得ました。

私は『富の再分配』には否定的で、いくら世界中の人々に平等に富を分け与えたとしても、育ってきた環境や、教育の有無などに差異がある現状では、何の効果も見られず、数年後には再び貧富の差が生じてしまうだろうと考えています。
米国のビリオネアたちが緊急時にも関係なく資産を拡大させることができたのは、彼らが優位性のあるビジネスを展開している経営者であり、創業者として自社の株を大量に保有しているからです。
例えば、現在世界一の大富豪であるジェフ・ベゾス氏は3ヶ月で資産を38%増加させたようですが、彼はコロナウイルスの脅威を恐れて、アマゾン・ドット・コム(AMZN)の株を狼狽売りするようなことはありませんでした。
アマゾン・ドット・コムは新型コロナウイルスの影響をあまり感じさせず、パンデミックによって通販の需要が増え、むしろ株価が順調だったことも相まって、ベゾス氏の資産を大きく増加させる結果となったのです。
しかし彼らが日々の自社株の株価の変動に一喜一憂するような人々ではないということはお分かりいただけるでしょう。
今回の調査結果を算出したシンクタンクと共同で調査に携わった「アメリカンズ・フォー・タックス・フェアネス(ATF:Americans for Tax Fairness)」のエグゼクティブ・ディレクターを務めるフランク・クレメンテ氏は今回の調査結果を元に「尋常ではないこうした資産額は、我々の経済システムに根本的な欠陥があることを示している」と経済格差を指摘する材料として利用していますが、このような経済格差が起きてしまうのは、仕方のないことであり、必要悪だと私は考えています。
彼らのようなビリオネアがビリオネアであり続けることができるのは、結局のところ、彼らの日々の行動の賜物です。ジェフ・ベゾス氏がアマゾン・ドット・コムを創業してくれなければ、我々はロックダウンした街中で、コロナウイルスの脅威に怯えながら日用品を買い求めなければならなかったかもしれません。
同様にビル・ゲイツ氏がいなければ、こうして一般人がPCを使って情報発信をすることはおろか、インターネットを利用して適正な情報にアクセスすることすら、一部のオタク達の特権となっていたかもしれません。
彼らが莫大な資産を築くに至ったのは、彼らが時代に合ったビジネスを展開し、チャンスを掴んで事業規模を拡大させ、世界中のライバルとのシェア争いに勝利してきた結果だと言えます。
つまり、ビリオネアがビリオネアであるのは、彼らの努力と才能、運の賜物であり、決して貧乏人がサンドバッグにするためにお金持ちが存在するわけではないのです。
仮に今の状況で富を平等に再分配したとしても、10年後には再び貧富の格差が生じ、お金持ちがますますお金持ちになる世の中になっていることでしょう。
つまり、我々がすべきは、お金持ちがさらに資産を拡大したというニュースから嫉妬心を爆発させることではなく、彼らのような優秀な経営者の恩恵を受けて彼らとともにリスクを取り、資産を拡大させるために行動を起こすことなのだと私は思います。
もちろん、自分で事業を行うのも良いと思います。最近はそこまで初めから大きなリスクを負うことなくスモールビジネスを展開することもできますからね。まあ、そんな人々が今回のコロナショックで廃業に追い込まれてしまったわけですから、まずはささやかな副業として、廃業してしまっても後戻りできる程度の事業規模にしておくのがよろしいかと思います。
どちらにせよ、資産を拡大させるには、お金持ちに文句を言っているだけでは何も始まらず、自ら何らかのリスクを取って行動を起こしていく他ないと言えるのではないでしょうか。
そうした努力を一切無視して、お金持ちがどんどんお金持ちになる様を批判的な目で見て叩いているだけでは、恐らくあなたは一生お金持ちになることはできないだろうと断言できます。
今の資産家が資産家になり得たのは、社会にそれだけ多大な価値を提供し続けてきたからだと私は考えています。大きな価値を生み出すことができればそこにお金が集まり、お金が集まれば資産の拡大スピードが加速度的に上昇するのは至極当然のことです。
お金持ちを羨む暇があるならば、あなたも1日でも早くリスクコントロールを行い、資産を拡大させる行動をとるべきです。株式投資はそういう意味ではとても『気軽に』『誰でも』資産家への道を切り開くことができる最良の手段だと私は考えています。
再び株価が調整場面に入るのかどうかはわかりづらい動きが続いておりますが、どんなタイミングであれ、リスクを許容して投資をしていなければ、概ねお金持ちになることはできないだろうと言えるのではないでしょうか。