中国カフェチェーン大手、ラッキンコーヒーは26日、米取引所ナスダックに上場する同社株の売買が29日に停止すると発表しました。

以前にも記事にしましたがラッキンコーヒーは、今年4月の初めに2019年12月期決算の売上高などが不正に計上されているという報道があり、それ以降株価は大暴落していました。


今年の1月に50ドルを超えていたラッキンコーヒーの株価は1.16ドルまで下落し、最大下落率は驚異の97.7%。日本で上場廃止が確定した株と同じようにマネーゲームに利用される場面もありましたが、今回無事に上場廃止になったということでした。
ラッキンは中国のカフェ市場で米スターバックスコーヒーの対抗馬と言われており、2018年以来、2年余りで中国全域に4000を超える店舗網を作り上げた、期待の新興企業でした。
しかし、架空売上の計上が明らかになると、さすがにナスダックの上場を継続するのは厳しいということになったということです。
まあ、妥当ですね。
完全に悪意ある粉飾決算で、売上高の75%が架空計上だったと言う衝撃の粉飾具合ですから、上場廃止と言う判断は仕方のないところでしょう。
上場廃止となってもラッキンコーヒー自体が倒産するわけではなく、ラッキンコーヒーが無くなってしまうわけではありませんが、それでもラッキンコーヒーが失った信用は大きく、例え中国市場で上場することができたとしても投資家から資金を集めるのは難しいのではないでしょうか。
そもそも不正会計に手を出すと言うことは、自ら『事業優位性と事業継続性がない』と言うことを認めているようなものです。誰もそのような企業に投資したいなんて思わないですよね。
ラッキンコーヒーは投資対象として適格とは言えません。しかし、それほど信用できる国とは言い難い中国の、それほど信用できるとは言い難い新興企業へ個別株として投資をすると言うことは、かなりリスクの高い投資に手を出しているのだということを理解しておかなければなりません。
ラッキンコーヒーだけでなく、クラフトハインツ(KHC)や、アンダーアーマー(UAA)など、不正会計の疑いで株価が急落する企業は業種問わずありますので、個別株取引をしている限り上場廃止は避けられないリスクです。
しかしそれでも不正会計に手を染めるような企業の株を掴まないために毎四半期ごとの決算を確認し、事業継続性と優位性を確認することで少なからず、あなたの持ち株の中から、上場廃止となる企業は生まれないのではないかと思います。