グッゲンハイム・パートナーズのCIO(最高投資責任者)を務めるスコット・マイナード氏が、来月7月にもS&P500が大暴落するだろうとする予想をCNNの取材で明らかとしました。
マイナード氏は以前からS&P500指数に対して悲観的な見方を示しており、4月頃には株価が上昇し出したのは、一時的な反発に過ぎないと警告を出していました。
「1929年クラッシュ後の時代、2007年から2008年の弱気相場を振り返ると、両方で最初の下げの後に・・・大きな戻しがあった。本当に厳しい下落の後の戻しは当然予想されることだ。」
そもそも弱気予想でお馴染みとなっているマイナード氏の意見は少し割り引いて受け取られることが多いようだが、最近の相場を見ていると、少しばかり悲観的な意見も必要なのではないかと考えさせられます。
彼の独自の計算を元に算出したS&P500指数の現在のPERは30倍としており、S&P500の適正株価は1,500ドルとしております。
利益の30倍というのは、インターネット・バブルで見られたような倍率だ。
1990年代終わりのインターネット・バブルを振り返ると、今よりバラ色の将来が予想されていた。
私は、市場が1,600あたりまで下落し、底打ちしうると考えている。
来月あたりにかけて底に向かうと予想している。
まあ、彼独自の計算によるPERですから、どこまで鵜呑みにするかはわかりませんが、今の予想PERは約21倍とされており、過去のPER水準よりは少々高めとなっていることがわかります。

5月当時の株価がPER21倍程度だとすると、PERが15倍で2,100ドル程度。今のPERの水準からは1,000ドル程度の下落となる可能性は大いにあるでしょう。
もちろんマイナード氏が指摘するように、S&P500指数が下落するにしても、その途中でFRBを中心に、株価を支えるための何らかの政策を画策することは予想されます。ただただ株価が某楽するのを指を咥えて見ているわけがないですからね。
マイナード氏ほどの悲観論は極端ではありますが、今のS&P500指数が割安とは言えないというのは私も思うところです。ですが、それでもS&P500指数への投資を止めることはありません。
なぜ私が安いとは言えない状況でもS&P500指数への投資を続けるのかというと、S&P500のような株価指数への投資こそ、コツコツと投資を継続させることで大きな力を生み出すと言えるからなのです。
株価が下がった時はS&P500への投資を止めるなんてことをするのは非常にもったいなく、株価が下落した時も、上昇している時も、何も考えずに淡々と投資をすることで着実に資産を築くことができるのです。
個別株ならまだしも、インデックス投資は極論、本当に株価を見ることもなく着実に資産を築くことができるのですから、日々の株価に一喜一憂するのはナンセンスと言えるでしょう。
私自身もS&P500指数に連動する投資信託への投資を今年の2月から始めましたが、始めた直後に大きな暴落に巻き込まれる結果になりました。

ですが、その後の回復期を経たことで、2月当時の最高値を更新していないにもかかわらず評価額はプラスになっています。これは株価の下落時にも悲観的にならずに投資を続けられたからだと言えるでしょう。
マイナード氏は3〜4年ほど株価が調整する可能性を示唆していますが、もしもこの期間にも我慢してコツコツ投資を続けることができたとすれば、その後の回復期に資産を拡大させるエンジンになるだろうことがわかります。
暴落も回復もいつ訪れるのかはわかりませんが、株価が下落しても上昇しても、投資家としては喜ぶべきことなのかもしれません。少なくともS&P500への投資をするのであれば、日々の株価の動きをあまり気にする必要はないのかもしれません。