寺の関係者をかたり「必ず当たる宝くじがある」と持ちかけ、現金をだまし取ったとして、兵庫県警佐用署は20日までに、詐欺の疑いで東京都中野区、飲食店店長の男(38)を逮捕、送検したということです。
報道によると、昨年10月、佐用町の無職女性(67)へ「1億円が当たる宝くじを買わないか」などと電話し、女性から宝くじの購入代として現金120万円を振り込ませたという疑いで逮捕されたということで、後日、被害者の女性宅へ宝くじ券2枚が送り付けられ、いずれも外れだったとのこと。当選発表後、男と連絡が取れなくなったことから、女性が署に相談していたということです。
この手のニュースは後を断ちませんが、見るたびに思うのが、「なぜこんな雑な詐欺に引っかかるのだろう?」という疑問です。
もちろん、騙す側が悪いというのは大前提にありますが、それにしても『必ず1億円が当たる宝くじ』があるなら、それの価値は120万円ではないはずです。どう見積もっても、1億円、もしくは当選までの時間を換算して多少の割引がある程度でしょう。絶対に120万円でその権利は買うことができないはずです。
そんな当たり前のことに気づかずに、時間をかけずにお金持ちになりたいという欲が優先されたとき、人は『あり得ないほど良い話』に飛びついてしまうものなのです。しかし、あり得ないほど良い話は、本当にあり得ないものがほとんどであり、仮にあったとしても、あなたの耳に届くことはまずありません。
しかも確実に、何のリスクもなくこれだけのボロ儲けができる話は完全に絵空事だと、事前に気付くことができるはずです。絶対に1億円が当たる権利を、なぜ見ず知らずの人がたった120万円で譲ってくれると勘違いしたのかが分かりません。
もちろん、歳を重ねる事で判断能力が低下していたという可能性もありますが、それでも自分で120万円を振り込むだけの判断能力があったのなら、少し考えればおかしい話だと気づけたのではないだろうか。
高齢者ばかりを狙って詐欺を仕掛けるような人々には本当に腹立たしい限りですが、騙しやすくてカモになると思われているのも事実です。
そういう連中の、あり得ないような『儲け話』に乗らないよう、年齢にかかわらずファイナンシャルリテラシーを高めて自分の大切な資産を守ることに力を入れなければならないと言えるのではないでしょうか。