経団連は6月17日、大手企業の今夏のボーナスの平均支給額が92万5,947円となったと発表した。この金額は昨年よりも約6%減少する結果となり、新型コロナウイルスによって大企業であっても警戒心を高めている企業が多いことがわかりました。
しかし、そんなニュースにも関わらず、またしても貧乏人の不幸自慢が数多く寄せられているようだ。

「初めからボーナスゼロだから減ることもない。よかった~」
「“大企業”ねぇ。社会人の何割くらいがこの位の金額貰えてるのかしら」
などという声から、「私の30倍だわ。寸志だから」「零細企業のうちの会社は寸志程度」という声まで、実に多種多様な『我が家の貧乏自慢』合戦が繰り広げられているのである。
それだけでなく、大手企業に勤める若手社員の中にも、
「みんな90万とかもらえてるの? 大手外資製薬だけど45万くらいなんだけど」
「大手だけど92万なんて貰えないよ。せいぜい50万くらい。大手の更に一握りじゃないの!?」
と言った声も聞こえるなど、概ね平均が92万円なんて信じられないといった反応が大多数を占めていました。
私も先日ボーナスを頂きましたが、当然92万円には届きませんでした。給与水準は比較的高いものの、ボーナスは割と控えめというのが私の勤める会社の給与体系です。
一部上場企業とは言え、経団連の言う大手と言うほどではないウチの会社は夏季賞与の平均を下げる要因となっているのではないだろうかと思います。
ですが、私は貰えるだけありがたいですし、特にボーナスをあてにした家計を組んでいる訳ではありません。もちろん、他人のボーナスと比較するつもりなど全くなく、日本の大企業が相当な内部留保を貯め込んでたんだなと感じるだけです。株主より従業員に還元してくれる日本は、資本主義的には歪んだ国ですが、労働者にしてみれば良い国です。
ボーナスが寸志だと文句を言う方も多いかもしれませんが、そもそも中小企業や零細企業では、好景気だった2010年代でもボーナスは寸志であった企業がほとんどで、こうして大企業のボーナス待遇に文句を言うのは今に始まったことではありません。
そもそも、ボーナスというのは業績に連動して好成績だったときに社員に対しての奨励として支給されているもののはずですから、『ボーナスありき』で生活していること自体が、謂わば間違っていると言えるのではないでしょうか。
私もボーナスが貰えないと追加投資用の資金を確保しづらくなるので、嫌なことは嫌ですが、ボーナスに頼って生活をしているわけではないので、最悪支給されなくても困窮することはないだろうと思います。
それだけでなく、私は保有している株式資産から年間およそ日本円にして60万円程度の配当金をいただけるので、ボーナスをあてにしなくても最悪、給与以外の所得を確保することはできています。
給与所得とボーナスだけが収入源という家庭であれば、新型コロナウイルスのような不測の事態では家計が圧迫され、ジリ貧になることもありますので、それに対する予防策として重要なのが、株式投資などを中心とした長期的な目線での資産形成だと思います。
初めのうちから大金を得ることは不可能ですが、時間をかけてコツコツと優良企業の株に投資を続け、優良企業であり続ける限りは下落場面でも決して売らずにむしろ買い増しするという姿勢を一貫するだけで、5年、10年単位で見ればそこそこの資産を築くことができ、さらに20年、30年という長期スパンで見れば、着実に大きな資産に膨らんでいることでしょう。
さらに米国のように適切な資本主義国家においては、会社のオーナーである株主を重視した経営がされており、よほどのことがない限りは減配したり無配に陥ったりということはありません。
今回のように無配になる企業が多いのは、本当によほどの緊急事態だということでしょう。それでも優良企業の株にある程度分散投資していれば、その中のほとんどの企業はこんなご時世でも増配をしてくれたり配当金を維持してくれたりしているのがよくわかります。
ボーナスよりも配当金の方がよほど嬉しいというのが私の正直な感想です。

ボーナスが少ない、ボーナスなんて無いと言いながら、大手企業の社員を羨む生活をするくらいなら、少ないながらも収入の一部を取っておいて、それをもとに投資を始め、将来は他人のボーナスなんて気にならないというくらいの資産を築くためにも、文句タラタラの人ほど1日でも早く株式投資を始められてはいかがでしょうか。